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沈黙の価値

「話し上手は聞き上手」

そう聞いて、「では聞き上手になろう」と思った。

「その言葉は沈黙より価値があるのか」

そう読んで、沈黙より価値のない言葉は話すまいと心に決めた。

話すことで得られることと、話さないことで得られること。

自分より知恵のある者、経験のある者の前では話さないことで得られることがとても多い。

そして世の中のあらゆる人は、それぞれの得意分野において僕より知恵がある。

そういう人の知恵を引き出し、自分のものにするのはとても楽しい。

学ぶこと。知らない世界に触れること。それが僕の最大の関心だからだ。

そうやって自分を向上させるのは、ひとえに「沈黙よりは多少は価値がある言葉を口にしたい」という欲求があるからなんじゃないかと思う。

自分の発する言葉は沈黙より価値があるのか。

その発想は突き詰めれば、自分は身体が占拠する空間よりも価値があるのか、消耗する酸素や食料よりも価値があるのか、という問いになる。

この問に迷いなく答えるために、いまこの日々があるのだろうね。


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