繊細になるには強くならねば
身体のことをやっていると、「強さ」と「繊細さ」は両輪であることを実感する。
ここでいう繊細さとはちょっとしたことで傷つく弱さとしての繊細さではない。外界からの情報を余すことなく受け取れる、高い感受性としての繊細さだ。
強さとはアウトプット、繊細さとはインプット。そういう対の関係。軍隊なら強さは戦力、繊細さは情報力。
どんなに戦力が高くても、情報線で負けていてはどうしようもない。敵の接近に気づかず簡単に不意打ちされるし、相手を迎え撃つ陣形も組めずに常に後手後手にまわることになるだろう。
だからといって情報力だけ高くても意味がない。レーダーの性能良いばかりでは敵の動向に詳しくなるばかりで迎え撃つ手段がない。だったらダメージを受けるその瞬間まで見て見ぬふりを決め込むほかない。
だからバランスが必要。強さと繊細さのどちらか一方だけを高めることはできない。逆に強さが養われれば繊細さも伸びる。繊細さが伸びれば強さも伸びる。
天秤は両側の重さが重いほど安定する。10グラムと10グラムで釣り合った天秤よりも、10トンと10トンで釣り合った天秤のほうが安定する。
中道とかバランスとかそういうのは、単に釣り合えば良いというものではなくて。両端を限りなく伸ばしていくことによって、高められる。だから繊細さばかりを鍛えても強さばかりを鍛えてもバランスは崩れてしまう。
ってことは中道ってのは真ん中をまっすぐ行くのではなくて、道の両端をいったりきたりして、どれだけ道の横幅を広げられるかってことなのかも知れないね。
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