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2021最難関国立大学入試分析⑤-1-2 九州大学大問1の「問二」

今日は問二です。ちょっとずつ進めていきます。

今年の目標は「継続」なので、毎日少しずつ進めていくことにします。

では問二に参りましょう。

<プランニング>

① 傍線部の分析

A 人類がみずからの内臓感覚を…意識すること ➡ この部分の換言
B 生命記憶の源泉 ➡ 比喩表現(源泉)を含む換言

② 具体的に言い換える

前回も扱ったが、あくまでも「わかりやすく」言い換えるのが「具体的に」の意味するところ具体例を必ず使わなくてはならないのではない

<解答へのプロセス>

① 傍線部に対応するところを探す

そもそも、「内臓を読む」についての話は2段落に存在している。答えの範囲は絞りやすい。ではA・Bそれぞれの箇所について検討する。

A 人類がみずからの内臓感覚を…意識すること

この点については傍線部直後の内容から考えていきたい。

(本文・2段落)
・古い人類は洞窟のような暗闇の空間に入り込むことによってこの内臓感覚を外化し、そこで様々な呪術儀礼をおこなっていました。

まずここで、「内臓感覚の意識化」の換言は「内臓感覚を外化」し、「呪術儀礼」を行うことにあたる。また、この後の文では以下の内容も来る。

(本文・2段落)
旧石器時代の人類が世界の様々な場所に残した洞窟壁画とは……自然の一部としての自己を確認し…

この部分にも自己の在り方の確認の内容がきているので採用できる。両者は因果や対比の関係を含まないので、そのまま並立で並べてみる

A 人類は暗闇の中で内臓感覚を外化して呪術的儀礼をおこなったり、洞窟空間の中で動物の形態を模写することで自然の一部としての自己を確認する。

洞窟という語を二重で使いたくなかったので片方を「暗闇」に変更。
(表現の磨き方は授業を通してお話します。)

つづいてB。「生命記憶の源泉」とはなにか

これも本文中から換言できる表現を探すと、以下のものが近いのではないかと思われる。

(本文・2段落)
自らの生命体としての記憶を刻印してゆく行為

この部分をそのまま…使えない。「記憶を刻印する」ってなんだ。この比喩表現を考えていく必要がある。

記憶 = 昔のこと/過去/歴史
刻印 = 刻む/記録をする/確認する/心に刻む

生命体としての…という文脈を考えていくと、「記憶=歴史」で、「刻印=確認する」ぐらいが適切な表現になるだろうか。ここからBは、

B 自らの生命体としての歴史を確認していく

② 構文づくり

A+Bを試みる。Aの後半「自然の一部としての自己の確認」とBの内容が重なる。つまり、Aの構文を生かしつつ、Bを挿入していくという作業になる。


<武川の解答>

人類は暗闇の中で、内臓感覚を外化して呪術的儀礼をおこなったり、洞窟空間の中で動物の形態を模写を行うことで、自然の生命体の一部としての自分自身の歴史を確認するということ。

こんな感じでいかがでしょうか。

明日は問三です。それでは。

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