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2021最難関国立大学入試分析⑤-1-4 九州大学大問1の「問四」

こんばんは。とりあえず二日間連続。

昨日のものと昨日までのもの。

さて、本日は問四

<プランニング>

問四 傍線部D「こうした模倣の能力の系統発生的歴史が、人間の個別発生的な道筋において反復されていること」とあるが、それはどういうことか、説明せよ。

【設問分析】 どういうこと=換言

【傍線部分析】

A 指示語の解釈

・こうした模倣の能力の系統発生的歴史
→「こうした」の内容(どのような模倣の能力か
・系統発生的歴史
→「系統発生」の意味は?

B 後半の解釈

・人間の個別発生的な道筋
→これは何を意味しているの?
・反復されている
→何が反復されているの?

このように、作業を整理することを意識する。一学期に各授業で伝えていくことの一つ。

<アプローチ>

A 指示語の解釈

「こうした」が指している内容は5段落の宮沢賢治の例である。
これを「抽象化」する。

なお、こうしたは「模倣の能力」を修飾しているので、「何をどのように模倣しているのか」を確認する。

5段落では、「鹿」の動きを「人間」が真似ることで「鹿踊り」という文化ができたという内容になっている。これは「模倣」である。

さらに、「系統発生的歴史」の意味合いを考えると「段階を経て何かが生まれる」ということになる。5段落には「ミメーシスを通じて自然を文化の側へと架橋すること」という内容があり、「自然」から「人間の文化」が発生した、と解釈することができる。

これらをまとめると

A 自然の世界を人間が真似ることで自らの文化を創造したこと

となる。

B 後半の解釈

「人間の個体発生的な道筋」とはなにか。6段落の傍線部の直前に「子供あ知の素朴な遊びを観察すれば」とあるので、「個体発生的な道筋」とは「人間が子供から成長する過程の中で」ぐらいの意味合いになる。

ついで「反復」。何が反復されているのかというと、Aの内容を反復しているのである。それを踏まえて6段落を見ると、「子供たちが他人や動物、他の物を模倣して遊んでいる」ことであり、それを「繰り返している」のである。

これらをまとめると、

B 人間が子供の頃に他人や動物、他のものを模倣することで行動様式を組み立てることを繰り返す中で成長する。

これらを踏まえて答えを組み立てる。

<タケガワの模範解答>

(答)自然の世界を人間が真似ることで自らの文化を創造したことは、人間が子供の頃に他人や動物、他のものを模倣することで行動様式を組み立てることを繰り返す中で成長することにも見出せるということ。

丁寧に作業できるのか。それが問われる問題ですね。

それでは。

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