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2021最難関国立大学入試分析⑤-1-1 九州大学大問1の「問一」

こんにちは。 

久々の#真夜中の入試分析 です。翌朝が早い日はできないのでシーズンインすると、木曜日はお休みになりそうです。あと金曜日も怪しい。でも、設問一つずつのペースなら……なんとかできるのかも?(ここら辺は要検討)

本シリーズはおそらくもう少し経ってからある程度の閲覧数が増えるのでは?なんて思っております。
なお、解答へのプロセスを書き始めたところ、一部の方にお褒めの言葉をいただいているのと、この作業をしていると明らかに解答能力が研ぎ澄まされていくことが分かったので、継続モチベーションは割と高いです笑

では、本日からは九州大学の大問1を仕上げていきます。
しかし、いつも以上に力が入るのでとりあえず設問一つずつを上げていき、後程マガジン形式でまとめていきます

【文章】

『宮沢賢治 デクノボーの叡知』 今福龍太

<内容>
模倣(ミメーシス)が人間にとって根源的な営みであることを「内臓」「星」「舞踏」という比喩をもとに理解を試みる。タイトルの宮沢賢治については『鹿踊りのはじまり』について言及している。

<所感>
比喩表現の意図を考えずに読んでいる受験生は「ほぼ即アウト」のレベルの文章では?例年と比べても難易度は標準的。

問一 比喩換言問題 ★★★★☆(やや難)

<プランニング>

①傍線部の分析 

「舞踏を読む」……
A「舞踏」とは何か。
B「読む」とは何か。

それぞれの意味を反映させることを意識する。ここが甘くなると答えの方向性がズレる。

②具体的に書く
具体例から引っ張ってもいいが、「具体例からのみ引っ張る」のではない。「わかりやすく」書くことを意識する抽象度はあまり気にしない

<解答への手順>

①傍線部それぞれの分析

A 「舞踏」
→「舞踏」については本文の4-5段落に書いてある。そもそも、「舞踏」は比喩なのでその意味するところを明らかにする

4段落には舞踏の定義が以下の通りに存在する。

原初の人間が野生の自然を受け止めながらそこに文化を創造してゆこうとするとき、必ず野生動物の所作を模倣するような舞踏が生み出されてきた

ここから以下のような内容のまとめが出来上がる。

「舞踏」=「人間が文化を創造する際に野生動物の所作を模倣すること」

この内容を具体化するのはこの後の作業。

B「読む」

これも比喩。読むということは「感じる」とか「理解する」ぐらいの意味合いである。本文中にない比喩の解釈は自分でひねり出す。ここら辺の作業は国公立対策の授業でお話します。

「読む」 = 「感じる」「理解する」

A+B

人間が文化を創造する際に野生動物の所作を模倣する時に「何かを」感じる

そう、ここで「何かを」の部分を埋めなくてはならない。これを②の中でやっていくのである。

②具体化

①の作業をすると、うまくつながらないところが見えてくる。(上記の「何か」である)それを②の中で検討していくのだ。

では、野生動物の所作を模倣するときに人間は何を感じるのか。それは4段落の具体例の中に存在する。

・神や精霊と交流し、世界をよみがえらせるための究極の模倣の所作
・模倣の身体的儀礼を通じて、自然の中にみなぎる力を文化の側に組み込もうとする。

すなわち、野生動物の模倣は

①神や精霊との交流
②自然の中に存在するみなぎる力の取得

を意味し、これらを「感じる」作業であるのだ。

<構文の作成>

先ほどのA+Bに上記の②の内容を入れていく。

(前半)
人間が文化を創造する際に、自然の中にみなぎる力を野生動物の所作を模倣することを通して

まず、「舞踏」のパートはこれでOKであろう。

(後半)
神や精霊の存在を感じること

とにかく「読む」の解釈をしっかりとする。おそらくここの解釈が曖昧になる解答がほとんどであると思われる。

<一応の模範解答>

人間が文化を創造する際に、自然の中にみなぎる力を野生動物の所作を模倣することを通して、神や精霊の存在を感じとること。

文末表現だけ少しばかり手直し。こんな感じでいかがでしょうか。

というわけで問1だけで1,600字。ここでひとまず終了です。

続きは後ほど。


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