画像診断2024年2月号 ビギナーのための骨軟部画像診断-Q&Aアプローチ-のメモ①

✅腱板断裂:部分断裂(関節側,滑液包側,腱内)か、全層断裂か。全層断裂では腱断端と大結節の距離と筋萎縮の程度を記載(Goutallier分類:grade0-4)。

✅肩峰下インピンジメント:肩峰下面の骨棘や烏口腱法人帯の肥厚の有無

✅肩甲下筋腱:頭側1/3の腱成分が付着部で断裂することが多い。断裂すると上腕二頭筋長頭腱の脱臼が発生。

✅肘関節:PD冠状断,脂肪抑制PDが基本。外側上顆には外側側副靭帯と総伸筋腱が、内側上顎には内側側副靭帯と総屈筋腱が付着。外側側副靭帯(橈側側副靭帯・外側尺側側副靭帯・輪状靭帯)、内側側副靭帯(前斜走線維・後斜走線維・横斜走線維)はそれぞれ3本ずつ存在するが一部は画像上同定困難。

✅リトルリーガー肘:主な原因は投球時に肘関節にかかる外反力。
・内側型野球肘:内側上顎の裂離骨折や、内側側副靭帯の付着部炎。外側型野球肘:上腕骨小頭の骨軟骨炎。
・離断性骨軟骨炎:透亮期、分離期、遊離期。薄層スライスの矢状断像。

✅手関節:掌側・背側に存在する多数の腱及び腱鞘、靭帯、関節包、骨性構造、筋肉、神経血管構造について、順番を決めて読影すれば読み落としが少なくなる。T1WI/PDWIとSTIR/FST2WIのそれぞれ3方向。

✅股関節:Cor:T1,T2,FSPD. Sag:T2. Ax:FST2 or STIR. (+T2*WI,3D)

✅膝関節:T2 3方向,T1,脂肪抑制必須。

✅膝関節内側支持機構:外側から筋膜層、MCL浅層、MCL深層の3層構造。外反外旋防止。MPFL,鵞足、半膜様筋腱、後斜走靭帯なども内側安定性に関連。

✅膝関節外側支持組織:前方から腸脛靭帯ITB、外側側副靭帯LCLおよび大腿二頭筋腱BFTの順。深部では膝窩筋腱PTやanterolateral ligamentなども。

✅半月板:外周1/3red zone(自然治癒見込める),自由縁側はwhite zone。前根・後根は脛骨表面に付着。高齢者は内側半月版後角〜後根部の断裂が頻発(ghost meniscus sign)。

✅膝蓋大腿関節不安定症:MRIでは膝蓋大腿関節の関節軟骨、内側膝蓋大腿靭帯の損傷有無

✅三角靭帯(足関節):内果から起始。浅層3つ(脛舟靭帯・脛踵舟靭帯・脛踵靭帯)、深層2つ(前脛距靭帯・高脛距靭帯)。浅層の三角靱帯損傷は脛骨起始部が多い。深層の三角靱帯損傷は靭帯中央部の線維走行の乱れや浮腫状変化で判断。

✅足関節外側支持組織複合体:前距腓靭帯ATFL(Ax)、踵腓靭帯CFL(Cor)、後距腓靭帯PTFL(Ax)の3つ。PTFLは扇状に幅広く起始、不均一な信号強度fibrillar pattern。

✅足関節インピンジメント症候群:捻挫に起因して足関節の前面(前方型と前外側型)・後面(後方型)・内面(前内側型と後内側型)で発症。
・前外側型ではATFLやAITFLの損傷を伴い脛骨遠位端と距骨の間隙に半月様病変と呼ばれる軟部組織(外傷後の線維化や滑膜肥厚)や関節内遊離体の介在を認める。
・後方型インピンジメント症候群は三角骨障害とも呼ばれる。Stieda's processが原因の場合も


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