バファローズ優勝記念DVDから見えた、強い組織の在り方
在庫不足で入荷待ちだったDVDが、
ようやく昨日届いた。
昔と違って、
SNSが普及した昨今では、
選手の素顔がより近い距離で見ることができる。
例えばInstagramでいえば、
試合で活躍した選手の喜びの声などを聞くことができる
もちろんDVDでもそういった場面も収録されているが、
ここには中嶋監督のミーティング風景や、
ベンチ裏の雰囲気など、さらに深いところまで映像化されており、
ファンにはたまらない。
2021年、
バファローズはリーグ優勝を成し遂げたが、
決して順風満帆ではなかった。
それでも優勝できた理由は、
バファローズという組織の力が、大きな要因ではないかと思う。
若手を伸ばすフロント
野球は、
選手同士が支えあって戦う、というのは当たり前ではあるが、
裏方と言われる、コーチやサポートスタッフも同様である。
1年間フルで戦ったことがないメンバーが中心のチームとなれば、
様々な重圧・プレッシャーをどう乗り越えるか、が重要となってくる。
例えば、ラオウこと杉本選手は、
「打てなかったら2軍」というレッテルに縛られすぎて、
これまではのびのびとプレーができなかった。
21年、開幕スタメンを勝ち取ったものの、
打率が2割を超えたのが、4/15までかかった。
開幕後の不調で、また「2軍行き」が頭をよぎったが、
コーチは「打てなくても戦力だ、思い切ってやれ」とアドバイスし、
気負いすることなく、試合に集中させることができた。
メンタルに不安な人材に対しては、
ネガティブな要素を早い段階で消すことで、
本来のパフォーマンスを引き出すことができる。
使い続けること
21年シーズン、
遊撃は紅林選手で固定された。
安達自身が「自分が全試合出れないが、遊撃は固定すべき」というように、
実現に至った。
守備機会が圧倒的に多くなる遊撃は、
併用が難しい。
なぜなら、複数選手が守ることで、
「誰がエラーが少ない」「誰がエラーは無いが打てる」などが明確化されてしまうことで、
チームの目指す軸が保ちづらく、チーム作りに影響を及ぼす可能性がある。
また、
守備に関しては、打撃と比べて、「慣れ」がある程度向上に繋がりやすいこともある。
こうしたことから、ある程度打てる(=振れる)紅林選手を固定し続けたことで、
チームバランスが非常にまとまった。
これは、数字には表れない効果だ。
失策は14個で終わったが、大きい体を柔軟に扱い、強いスローイングからも、
決して守備に難があるようには見えなかった。
紅林選手が、この1年で最も成長した選手ではないだろうか。
ナカジマジックが魅せた人間力
ファイターズには、
新監督として新庄氏が招聘された。
彼はメディアを通して、
「自分が目立つ仕事はオフの期間で終わり。シーズンが始まれば選手が主役」と発言している。
口うるさいリーダー、
というのは古い時代なのかもしれない。
根性論、というのもなくなってきた。
中嶋監督は、
決して言葉数が多い人間ではない。
端的に、最小限の言葉で組織を奮起させる。
情も控えめな印象だ。
それゆえ、
自信が必要だ。
シーズン最終節でガチガチだったチームに対してミーティングで発した言葉は、
「楽しくやっているところを(西浦選手はファンに)見てもらう」という言葉だった。
ブルーウェーブ、ライオンズ、ファイターズでそれぞれ優勝を経験しているだけあって、
20年来優勝から遠ざかっている選手たちのプレッシャーを、
どうすればほぐすことができるのか、考えていたはずだ。
徹夜して考え抜いた、だらだら長い話ではなく、
ネガティブな要素は何か、それを解消するためには何が足りていないか、
を明確に発信するのみにとどめたのだ。
最後に、
DVDには、西浦選手がほとんど収録されなかったのが、少し残念だった。
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