課題:有料イベントのチケットを売るには?(#マーケティング勉強会)

目標

Voicyフェス'23に1万人を集めよう

※Voicyフェスについて

日程:2023年10月25日(水)~27日(金) 各日14時~22時
開催形式:生放送・アーカイブ放送(アーカイブは2023年11月末日まで)
チケット料金:3,900円(税込)※A,Bの2ステージ合わせて
今年のテーマ:聴くから変わる人生がある

チケット販売:
一次先行(既に終了):出演リクエスト投票権付き
二次先行(9月11~25日):Voicyフェス ポスターデータ付き
すべて3,900円(税込)

現状とギャップ

9月15日時点でのチケット販売数は2,500枚
目標の10,000枚とのギャップは7,500枚
※昨年は7,600人以上が有料参加(PR TIMESの記事より参照)

前提や制約条件

  • 開催初日の10月25日まで約1か月しか期間がない。

  • Voicyフェスのステージ数、料金、先行販売内容については、時期的にも変えづらい。

まずは顧客のフェーズを分解

● Voicyを知らない、利用していない層
● Voicyを利用している層
:気になる放送を時々聴いている(Voicyフェスを知らない可能性がある)
● Voicyファン層:日課になっている(Voicyフェスの存在を知っている)

Voicyを知らない、利用していない層に対して、Voicyのリスナーになってもらったうえでフェスに参加してもらうには、1か月では短すぎる。
➡ 今回はVoicyを利用している層・ファン層へのアプローチを考える。

※Voicyの利用者やファン層は何人いるだろうか?

株式会社Voicy採用情報のページには、VoicyのMAU(Monthly Active Users)は30万人と書かれている。
一方で2021年4月12日のVoicyニュースリリースでは、月間利用者数が250万MAU突破!と記載がある。
どっちだ?(笑)
とりあえず少ないほうでも1万人達成できる施策を提案する(笑)
よってMAUは30万人を採用する。

次にファン層の人数を推定する。
人気チャンネルの1放送あたりの平均視聴者数を分析する。
計算方法:再生回数÷チャプター数
(1チャプターあたり1再生と表示されるため)

例)パーソナリティ別の平均視聴者数(通常放送)

  • ちきりんさん 20,000~25,000人

  • 西野亮廣さん 15,000~20,000人

  • 尾石晴さん 10,000~15,000人

上記3名は再生数トップレベルかつチャプター数も統一されているので、平均視聴者数を計算しやすい。
これ以上調べ出すと終わりが見えないので、とりあえず大まかに推定する。
3名の視聴者数を足す(重複している場合があるため最少人数で)。
20,000+15,000+10,000=45,000
これでVoicyファン層全体の5割を占めると仮定すると、
● Voicyファン層:9万人 と推定できる。
MAU30万人なので、●Voicyを利用している層21万人と仮定する。

顧客層別の課題

●Voicyを利用している層:21万人(Voicyフェスを知らない可能性がある)

  • そもそもVoicyフェスがあることを知らない ⇒施策①

  • リスナーへの宣伝が足りていない ⇒施策②


●Voicyファン層:9万人(Voicyフェスの存在を知っている)

  • リスナーへの宣伝が足りていない ⇒施策②

  • 出演者や放送内容が分からない ⇒施策③

  • 放送時間が長すぎて聴く時間がない ⇒施策④

  • テーマが「学び」系に偏っており、疲れや飽きを感じるリスナーがいる ⇒施策⑤

施策

施策① アプリトップページの一番上にフェスの宣伝を!

ながら聴きとして利用することが多いVoicyでも、必ずトップページを見るはず。
現在スマホのVoicyアプリを開くと一番上に「ハッシュタグ企画」が出る。
ここをVoicyフェスのページにして、チケット購入ページに飛べるようにする。

施策② 出演パーソナリティにVoicyフェスの宣伝をしてもらう。

音声メディアなので、パーソナリティの声で宣伝してもらうことで最も認知度を上げることができると考える。
パーソナリティに毎放送のオープニングでVoicyフェスのリンクを貼って宣伝してもらったり、Voicyフェス宣伝用の放送を1回分録り固定放送に置いてもらう。
これは、購入を迷っているファン層に対してもアプローチになる。

Voicyフェスを宣伝したパーソナリティには、例えばプラットフォーム手数料を6か月間5%引き等のインセンティブを付ける。
もしくはVoicy社がパーソナリティに全力で感謝する。

施策③ 早急にタイムスケジュールを発表する

誰と誰がどんなテーマで対談するかを知ってから購入したいリスナーに向けての施策である。
推しのパーソナリティの対談相手・内容が発表されてから購入しようと待っていて、いつの間にか忘れていて購入期限を過ぎると機会損失になる。
また、早めに発表することで、出演パーソナリティもVoicyフェスの宣伝をしやすくなる。

施策④ アーカイブの視聴期間を延長する

チケットを購入したはいいが、ほとんどの放送を聴くことができずアーカイブ視聴期間が終了すると、「もったいない」感情が生まれてしまう。
損をしたくないという感情から、購入を躊躇するリスナーは一定数いると考える。
(Voicyリスナーは忙しい人が多い。スキマ時間に耳で学ぼうと思うほど時間に追われているから…)
アーカイブ期間を例えば半年に延長することで、ゆとりをもって聴くことができ、より忙しいリスナー層からの購入を見込めると考える。

施策⑤ フリーテーマで対談!

Voicyといえば、ビジネスやキャリアなど「学び」になる放送が多いが、内容が偏ると疲れる。
例えば、業界の裏話やプライベートのぶっちゃけ話をする対談があってもいいのでは?と思う。
Stage Bをすべてフリーテーマにしたら面白い。(さすがに厳しそうだが)
Voicyフェスではただでさえ異色な2人の対談が聴けるのに、テーマもぶっ飛んでいたら、気になって購入するリスナーは増えると考える。

優先度

5つの施策の優先度をつける。
施策③ を第一優先とする。
タイムスケジュールが早く発表されると、出演パーソナリティがフェスの宣伝をする期間が長くなり、施策② の効果がより活きる。
施策①は認知度向上、施策④ は購入を迷っているリスナーへのアプローチにつながるため、第一優先ではないが早めに対策を行う。
施策⑤ はフェス1か月前では間に合わないかもしれないが、もし柔軟に対応できるパーソナリティがいればプログラムに組み込んでいく。

推定

●Voicyを利用している層(Voicyフェスを知らない可能性がある)

施策②でアプローチ。
リンククリック率20%、購入率5%と推定。
21万人×0.2×0.05=2,100人

施策①でアプローチ。
アプリトップページで宣伝するので、クリック率は通常のネット広告より高めの20%と推定。
購入率は5%と推定。
21万人×0.2×0.05=2,100人

施策①②で見込める購入者のうち重複300人と考えると
2,100+2,100-300=3,900人
➡ 3,900人増が見込まれる。

●Voicyファン層:9万人(Voicyフェスの存在を知っている)

施策③⇒②でアプローチするのでクリック率・購入率は高くなると考える。
リンククリック率40%、購入率10%と推定。
9万人×0.4×0.1=2,250人

施策④⑤のアプローチで、重複を考慮しても1.5%が購入すると推定。
9万人×0.015=1,350人

➡3,600人増が見込まれる。

合わせて7,500人の購入者増が見込まれ、チケット購入者合計1万人の目標を達成できる。

課題に取り組んでみて

感想は大きく分けて3つ

①数字のシミュレーションが難しかった

前回の反省を踏まえて、施策によって新規購入者数が何人増えるか推定してみたが、かなり難しかった。
大きく外しているかもしれないが、得られる効果をシミュレーションしたうえで施策を提案する良い経験になった。

②情報を集めるのに苦労した

Voicyの正確なMAUやプレミアムリスナーに課金しているユーザー数を知りたかったが、私の調べ方では分からなかった。
しかし、今分かっているデータから顧客人数を推定する良い訓練になった。

②プロダクトやサービスを作るのって大変

Voicyフェスの分析をしてみて、プロダクトやサービスを作り、それを大きくしていくのは本当に難しいことだと痛感した。
Voicyのスタッフは今、私の想像がつかないほど、いろいろ考えてもがいて頑張っているところだと思う。
改めてVoicyを応援したいと思った。

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