“楽をしたい大人たち”による今、最大の被害者「譜久村聖」【中編】

現在、モーニング娘。のリーダーであると共に、Hello!Project全体のリーダーでもある譜久村聖。
娘。の前リーダーは、言わずと知れた道重さゆみ。ハロプロ全体の前リーダーは、アンジュルムのリーダーでもあった和田彩花。この2人にあり、譜久村には無いもの。また、この2人に無く、譜久村にはあるもの。
前者は、“外の世界”を知っていること。後者は、“従順”であること。

道重は主に“プラチナ期”と言われる頃からリーダーに就任した頃までの期間、「今のモーニング娘。を知ってもらう為に」とバラドルとしてTVを中心に活躍。良い子揃いではあるが、娘。やハロプロの黄金期を彩った諸先輩たちのような人目に付くアクを持たないハロメンが殆どの中、八面六臂の活躍でハロメンは勿論、メディアを避けるうちにその感覚を忘れていたスタッフも知ることのなかった外の世界の酸いも甘いもを知っていった。
和田は芸術に興味を持ったことが高じてその道の大学に進学。さらに、芸術の視点と共に、自身のこれまでのアイドル活動の視点からにおいてもジェンダーについて興味を深めていった。些か頭でっかちな印象はあるが、確かな知識は身に付けていっていた。

事務所は、そういった物言うリーダーを煙たがっていたのではないか。特に和田は、ハロプロリーダーに就任した頃から「言いたいことが言えない」とこぼしていた。
いっぽう譜久村はというと。例えば、「あのグループでやっている事をモーニングでもやりたい」とスタッフに希望するも敢え無く却下。かといって、動いてくれるまで根気よくプレゼンを続けるとか、或いは別のアプローチを試みるというような熱量が見えないまま諦めてしまような節がある。
決して、事務所のやることなすこと全てを飲み込んでノホホンとしていたわけではない。それでも、これまで物言うリーダーを煙たがっていた事務所にとっては、充分に都合のいい従順さだった。
この事務所は、手間が掛かることを一番嫌う。嫌うあまり手間をかけなければいけない所まで手間をかけずした結果、余計な手間と金が掛かること多々。
和田のようにいちいち釘を刺しておく必要のない譜久村は、とても楽な存在であったことだろう。

また、譜久村は正直、オツムがあまりよろしくない。(2017年の「アイドル生合戦国盗り天下統一編」での選抜メンバーによる事前テストでは最下位)
それも、希望をプレゼンしきれなず従順になってしまう事に繋がっているのかもしれない。そして、これもまた事務所にとっては都合がよかった。
“よかった”という過去形なのは。
2021年のひなフェスからの一連の流れの中で、女ヲタSとの繋がり(前回述べた通りSの自作自演だが)の件とともに糾弾されたのが、それまでの様々な発言だ。
例のひとつに「やっとリーダーに慣れてきたのにリーダーを譲るのは癪」というもの。つんく♂から「在籍は続けてもリーダーは禅譲というのもアリではないか」という発案もあったうえで。
やっと~の言わんとする事はわからなくもない。しかし、もっと良い言い方があったはずでは。やっと、って、今までは何だったのよと。癪って、腹が立つってことですよと。
これは、オツムがよろしくないゆえの言葉のあやであろう。そして、事務所はそのオツムの弱さを利用するだけ利用しておいて、こういう事は危惧していなかったのか。そもそもグループのリーダーとは、基本的にメンバーの誰よりも公に向けて発言する機会が多いのだから、そういう時は誰よりも一言一句気を付けなければならないと思うのだが。

また、他に取り沙汰されたものとしては「自分の歌割は譲りたくない」というもの。
当人としてはあくまでも「自分に頂いたものだから大事にしたい」という気持ちから言ったものだと思うが、ひなフェス2021よりもずっと前からアンジュルムやJuice=Juiceでは卒業がなくても時折パート変更は行われていた中で、不用意な言い方であったことは否めない。

Hello!Project2018夏のDVDマガジン内で、和田彩花は「何を言っても叩かれる!」とぶっちゃけていた。
今、譜久村はその「何を言っても叩かれる!」フェーズに入ってしまっている。
そうさせたのは事務所スタッフだけではなく、「在籍は続けてもリーダーは禅譲というのもアリではないか」と言うしかなくなってしまったつんく♂も、“楽をしたい大人たち”の一員なのだが。

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