“楽をしたい大人たち”による今、最大の被害者「譜久村聖」【前編】

12月27日、来秋をもって譜久村聖がモーニング娘。を卒業することが発表された。
今月行われた加賀楓の卒業公演について「短い6年」と発言したことが、嫌みであると叩かれブログで釈明する事態になったばかり。
もはや、“待望の卒業”になってしまった感すらある。
しかし、“待望の卒業”にしてしまったのは、本来彼女を守る側であるはずの、事務所の大人たちである。

事の発端は、昨年2021年4月に行われた“ひなフェス”だった。
新型コロナウイルスの感染を恐れるあまり憑りつかれたように分割ハロコンに拘り、グループ単独公演が渇望されていた当時、Hello!Projectメンバー全員が出演するとはいえ各公演ごとにそれぞれのグループがメインを務めるのだから、それぞれのグループのファンにとっては単独公演に近い期待を持たれていた。
ところが、前月にある問題が起こる。佐藤優樹の体調不良によるライブ活動の休止。(なお、岡村ほまれもほぼ時を同じくして休止していた)その後本格復帰することのないまま卒業することになったのは御存知の通りだが、この時は「重要なパートを多く担っている彼女の穴を誰が埋めるのか?」「ひょっとして私の推しちゃんにピンチヒッターのチャンスが!?」といった調子でやや不謹慎といえなくもない期待もされてしまっていた。
しかし蓋を開けてみれば、佐藤の歌割りの大部分は、同様に重要なパートを担うことの多い譜久村聖と小田さくらでほぼ分担し、結局“私の推しちゃん”達にスポットライトが当たることはほとんどなかった。
これは、まず慣例的にピンチヒッターは《歌い慣れている者が代わりを務める》(例えば、2番のサビの1節目の代わりは1番のサビの1節目を歌っている者なら歌い慣れている、といった具合)か、《前後どちらかのパートを歌っている者が続けて歌って代わりを務める》のどちらかである場合がハロプロは多い。現在のモーニング娘。の場合、どちらであっても譜久村か小田になってしまいやすく、更にハローの他のどのグループよりも娘。は歌割りとフォーメーションが連動している為にそれを一時的に大きな変更をするのは困難であるゆえ、前述したようになってしまったのは仕方なくはあるのだが。

だが、この“慣例”が問題になってきているともいえる。
ひなフェスが開催されたこの日、夜公演だった娘。プレミアムの前の昼公演ではアンジュルムプレミアムが行われ、「大器晩成」ではこの時で加入半年ほどだった松本わかなに落ちサビを託すという大胆な歌割り変更を行ったことで「娘。でももしかしたら…!」と更に期待値が上がってしまい、その分落胆の色も濃くなった。
また、前作シングル「KOKORO&KARADA/LOVEペディア/人間関係No way way」は15期のデビュー作ということもあってかかなり各メンバーにパートが割り振られてファンの溜飲を下げたが、最新作(当時)「純情エビデンス/ギューされたいだけなのに」では早くも元の鞘に戻ってしまったという不満。
加えて、セットリストも変わり映えしない“定番曲”ばかりだったことも不評だった。1年以上単独公演を行えていないこともあっての「満を持して」の選曲だったのであろうが、譜久村と小田ばかりが歌ってしまう一因にもなってしまったといえよう。

Twitter等で不満の声が噴出し、欠席した佐藤がブログで歌割りについて言及するまでになった。ただその内容というのが要約すると、
『加入からまだ数年の頃、たなさたん(田中れいな)がお休みした時はまさが大好きなたなさたんのパートを歌いたかったけれど、まだ任せられる信用を得られていないと教えられた』
というもの。15期以外はもう当時の佐藤以上のキャリアがあるのに、まだ信用を得られていないのか、一体これ以上何をどうすれば信用を得られるのか、という話にもなってしまう。また、まーヲタからも「火消しの為にまーちゃんにこんなことを言わせるな!」と非難轟轟。
そして、火種が燻り続ける中、最大の燃料が投下される。

“女ヲタSと譜久村聖との繋がり”が暴露され、こんな奴にいつまで居座らせるのか!との声が上がる。
結論から言うと、この“繋がり”は女ヲタSによる自作自演と断定されたが、いかにもな画像の用意や譜久村本人のみならず家族までも付け回して行動を把握しようとする周到さや執拗さ、また実際約1年前には太田遥香が“ルールに反する行動”をしていた事もあり一時は真実味を持って語られた。
事務所までも女ヲタSに便宜を図ったと疑われたこともあってか、アップフロントとしては異例の、ネット等での誹謗中傷には断固対応していく旨の声明を発表した。(小片リサの件といい、結局は事務所自身にまで話が及ばなければ動いていない気がするが)
これで、事務所は全て幕引きをしたつもりでいた。しかし、そもそもは娘。の歌割りに対する不満であり、繋がり騒動はあくまで副産物でしかなく、その不満は水面下でずっと燻り続けていた。

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