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【英日対訳】 #DeepL翻訳 迫る東京五輪スポンサー契約期限に焦り隠せず 関係筋|米ロイター国際版(2020.9.8)

[Last updated: 2020/9/10]

はじめに

2020年9月8日、現地時間午前4時ごろ(日本時間同日午後5時ごろ)に米ロイター通信がスクープを打った。

先の見えない新型コロナウイルス下で、『東京2020五輪』の主催側が年内で期限切れとなるスポンサー契約を延長しようとしているが、コスト増大に二の足を踏むスポンサーが続出し、歴史的イベントを主催するという大役と、開催継続を支持する国民がわずか24%という狭間で板挟みになっていると、5人のスポンサー関係筋が暴露したというのだ。

東京五輪のスポンサーには4つの種類があり、最高位の「ワールドワイドオリンピックパートナー」次に「東京2020オリンピックゴールドパートナー」「東京2020オリンピックオフィシャルパートナー」「東京2020オリンピックオフィシャルサポーター」の順となっている。今回の5人のスポンサー関係筋がどのスポンサー枠の所属かは明らかにされていないが、もし仮に、東京五輪のみのスポンサーである「ゴールドパートナー」枠であったとすれば、15社中5社から告発があったことになる。尚、読売・朝日・毎日・日経等のメディア企業は「オフィシャルパートナー」枠に属する。

「ワールドワイドオリンピックパートナー」    14社
「東京2020オリンピックゴールドパートナー」   15社
「東京2020オリンピックオフィシャルパートナー」 32社
「東京2020オリンピックオフィシャルサポーター」 20社

9日未明にニュースをキャッチしたため、実験の意味も込めて急遽DeepL翻訳を初めてフルに全文に活用し翻訳校正を行うだけで公開した。

以下は約1時間で作業を完了したのち、これを改めて清書したものである。

日米報道の相違点

ロイター日本語ニュースは国際版の掲載から約1時間後、日本語版記事を掲載。文章の構成や内容だけでなく4つの大きな点で記載内容が異なった。日本語版ではこれら4つの点が完全に排除されている。

掲載時刻を確認したところ、国際版が掲載されたのが日本時間2020年9月8日火曜日午後5:41。日本語版が掲載されたのが同日本時間午後6:31だった。

想像だが、日英版は同時並行で作成され、リレー式に英語版が完成したら都度翻訳→編集となったのだと思われる。その「編集」の段階で1時間以内に『電通』『菅官房長官』「共同通信の世論調査結果」と「国を挙げたプロジェクト」であることの言及が省かれ、そして最後に、スポンサー分類の説明的なパラグラフが分量補完のために追加されたのだろう、と想像する。

①電通による斡旋に対する言及
②共同の世論調査結果への言及
③菅官房長官の発言に対する言及
④「国を挙げてのプロジェクト」に対する言及

この内、9月3日の③「菅官房長官の発言」が、数日のちに国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長、そして日本政府の橋本聖子五輪担当相の「断固開催」の決意表明に繋がっていることが、時系列を辿るとわかった。

・2020.9.3 菅官房長官による表明
・2020.9.7 IOCコーツ副会長による表明
・2020.9.8 橋本五輪担当相による表明

各発言が意味するもの

2020年9月3日、菅義偉官房長官は自民党総裁選候補としてスポーツ紙7紙から受けた合同インタビューで東京五輪を「何としてもやり遂げたい。やりたい」と発言した。

その4日後の9月7日午前、IOCのジョン・コーツ副会長は「新型コロナウイルスの有無に関係なく」開催されるとの見解を表明した。

翌日9月8日、橋本聖子五輪担当相はコーツ副会長が再延期や中止はない見方を示したことについて「なんとしても開催をしなければいけない」と表明。

※カナダのオリンピック委員会公式アカウントはこの橋本五輪相の発言をこう報じた。「東京五輪は”いかなる代償を払ってでも”2021年に開催しなければならない」(Tokyo Games must be held "at any cost" in 2021)と。

この発言は、国内的には許容可能であっても国際的には問題視されている。

ともあれ日本の次期首相と担当閣僚、そしてIOCの三者が、ごく短期間の間に来年開催の実現に向けて強い決意を表明したことになる。今回のロイター国際版記事は、これらの表明が短期間にシンクロした背景にある『スポンサー契約延長問題』の事情を探ったものだと思われる。

ソース

ロイターニュース国際版(日本時間2020.9.8午後5:41掲載)
サム・ナッセイ、山崎牧子、白木真紀 編集:Gerry Doyle

Olympics sponsors in limbo as year-end contract expiration looms: sources

迫る東京五輪スポンサー契約期限に焦り隠せず 関係筋

本文

TOKYO (Reuters) - Tokyo 2020 Olympics organisers have not extended sponsors’ contracts set to expire at the end of the year, sources said, leaving some questioning whether to continue after COVID-19 forced a delay of the world’s largest sporting event.

東京 (ロイター) - 2020年東京五輪の主催者は、年末に期限切れとなるスポンサー契約を延長していないと、関係筋が伝えた。新型コロナウイルスにより世界最大のスポーツイベントの延期を余儀なくされたなか、スポンサー契約を継続することに疑問の声も上がっているという。

Postponing the Games for a year has created additional costs for sponsors, including fees to extend contracts, and some wonder whether it’s worth doing so, three of the sources said, declining to be identified because the information is not public.

大会を1年延期したことで、スポンサーには契約延長のための費用を含む追加コストが発生し、そうする価値があるかどうか疑問に思う企業も出始めている。情報が未公開という理由で匿名を望む3人の関係筋はこう語った。

At the same time, sponsors fear damaging their image by abandoning a politically important national project.

同時に、スポンサー各社は政治的重要度の高い国家プロジェクトを放棄することで企業イメージを損なうことを恐れている。

“The delay threw financial plans for the Games into disarray and many companies really don’t want to pay any more,” said one of the sources, an Olympics insider. Sponsors expect the contract extension negotiations to be fraught, said two more of the sources, both from sponsors.

「延期により収支計画が混乱に陥った。多くの企業が本音ではこれ以上払いたくないと考えている 」関係筋の一人はこう語る。スポンサー各社は、契約延長交渉が難航することを予想していると、別の二人の関係筋は明かす。

Tokyo 2020 raised a record $3.1 billion in sponsorship money from across corporate Japan through the intercession of sports marketing heavyweight Dentsu, but many companies are reeling from economic damage wrought by the pandemic.

東京五輪を巡っては、スポーツマーケティング最大手の電通の斡旋で日本全国の企業から過去最高の31億ドル(3300億円)の協賛金が集まったが、多くの企業がパンデミックの影響で経済的なダメージを受けている。※①

Reuters was not able to establish the potential size of the extension fees. Local sponsors’ contracts cover only Tokyo 2020, unlike a smaller number of worldwide sponsors.

ロイターでは、想定される延長料金の金額規模を把握していない。 東京五輪以後も五輪関係の契約を継続する少数のスポンサーに比べ、多数のローカルスポンサーが東京五輪のみの契約のため全容が捉えきれなかったためだ。

Tokyo 2020 is “asking our partners for their ongoing support in the process of extending the contracts,” organisers said, adding that although the pandemic has “had a certain impact... we will continue to make every effort to seek understanding and cooperation going forward.”

取材に対し組織委員会は「継続的な支援が得られるよう、契約延長の交渉プロセスにおいてパートナーにお願いしている」とし、新型コロナウイルスについては「一定の影響を与えているのは確かだが今後も理解と協力を求める努力を続けていく」と付け加えた。

Dentsu did not immediately respond to requests for comment.

これに対し電通側にコメントを求めたが、ただちに回答は得られなかった。

Faced with sliding support for the Games - just 24% of Japanese are in favour of holding the event next year, according to a July poll by Kyodo news agency - the national mood further discourages Olympics promotional activity, said another source, an Olympics insider, and a fifth source from a sponsor.

共同通信社の7月の世論調査は来年の開催に賛成する国民がわずか24%であることを示した。そんななか、国民のムードはオリンピックの宣伝活動をさらに停滞させるだろうと5人目の関係筋は語った。※②

Companies are already trying to cut spending in the face of an economic slowdown, and some sponsors question what benefit there is to backing the event.

経済の減速に直面する企業は支出を削減している最中にあり、一部のスポンサーは支援することにどのようなメリットがあるのか疑問視している。

“While some sponsors see benefits even with reduced attendance at the Games, for others its hard to see the point,” said one of the sponsor sources.

「一部のスポンサーは、観客数が減ってもメリットがあるかもしれないが、その他のスポンサーには難しい」

関係筋はこう語った。

The sponsorship contracts are one of many problems for Olympics organisers as they scramble to demonstrate the viability of the delayed Games and ensure safety for athletes and spectators.

スポンサー契約の延長問題は、数ある問題の1つにすぎない。主催者側は、延期された大会の実現可能性を示し、選手や観客の安全を確保することにも奔走している。

The success of the Tokyo 2020 is likely to be a top priority for the successor to outgoing Prime Minister Shinzo Abe. Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga, considered a favourite for the job, this week emphasized Japan’s resolve to hold the event.

安倍晋三首相の後継者にとって、「東京2020五輪」の成功は最優先事項となりそうだ。最有力と目されている菅義偉官房長官は今週、開催に向けた日本の決意をあらためて強調してみせた。※③

The status of the Games as a national project continues to exert pull over worried sponsors.

国を挙げてのプロジェクトとしての大会のステータスは、不安を抱えるスポンサーをさらに苦悩させている。※④

“If other sponsors extend and only we don’t cooperate, that’ll make waves - that’s what we want to avoid,” said one of the sponsor sources.

関係筋はこう明かす。

「他のスポンサーが(延長に)協力しているときに、うちだけ協力しないとなると波風を立てることになる。それだけは避けたい」

DeepL翻訳への個人的評価

機械翻訳を利用する上での注意喚起

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