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常識を疑え(問題意識の在り処を問う)

これは、私が小学校4年か5年の時に読んだ強烈なインパクトのあった本の1冊である。本当に23分くらいあれば読め(早ければ15分で読める)、子供向けの言葉で子供の教室で起こることが描かれた、うすらさむいフィクション。

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この本が小学生だった私に強烈なインパクトを残した理由は

「みんなHappyになったかのような話なのに、本当は誰も救われていない気がするし、話はこれで終わってない」という、至極あとあじ悪い感じだったから。

私の小学5年当時というのは、「誰かに教えられることを盲信する違和感」と同時に、盲信している自分に気づいていないのではという不安があったと思う。この本の見事なまでの集団心理の掌握、手のひらでキレイに転がされる精神性の180度の転換、人為的計画による洗脳を見て、「自分の脳内で起こっているモノの見方は一体何が本当なのか?私自身がこんな風に操作されてるんじゃないか?」というようなことを、子供のころからよく疑っていたように思う。

思えば、その頃から好き嫌いとは別に「何度も読まずにいられない」類の本というのは、どれもハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、ディストピア系の小説ばっかり繰り返して読んでいるなと思ったのは大人になってからでした。

23分間の奇跡は、そのさきがけだったと言えます。
「問題意識を持ちなさい」というのが、小学生だった当時の私へ何度も父に言われたことのひとつだったのですが、「問題意識ってなんやろうか~」とハッキリ分からずとも、なんとなくそれが大事なんだろうなということは教わってきた気がします。



この本、なんと30年以上ぶりに読み返すにあたって、本のタイトルを完全に忘れた状態で、ストーリーは鮮明に覚えていたので、それをキーワードにグーグル先生に聞きました。こんなキーワードです。

「敗戦国」「教師」「子供向け本」

これですぐに出ました!
「23分間の奇跡」 って一発!
本当にすごい時代だな~。。。


そして、30年以上ぶりに読み返すと、
私の記憶に焼き付いていた登場人物たちの声、ふるえ、よろこび、涙、いきづかい、教室の風景が100%再現される。読んだ当時と同じ色で。
そうこの感じ、この気持ち悪さ、HAPPYに見えるのに一体だれがHAPPYなのか?という問いの行き場のなさ。


ゆいいつ、記憶の再現と、読み返した内容とで異なっていたのは、
この本の最後、若い(主役の一人)先生がつぶやく言葉。

私が記憶で勝手に創り上げていた言葉と真逆のものでした。

つまり、私は本のストーリーを忠実に記憶していたのではなく、
本を読んだ時に「私」が感じた疑問を、若い主役の先生につぶやかせるいうストーリーに(都合よく)改変して記憶していた、ということです。


人の記憶が如何に適当で都合の良いものであるか、ということを語るに余りあるけど、こういう本でこういうことが起こるのって、なかなかの逆説というか、自分としては新しいショックを覚えたので記録しておこうと思った次第です。新しいショックだ。(いい意味でですよ)



そんな私は昨日、素晴らしい買い物をしました。

無印良品の発酵ぬかどこです!!!!想像を上回る美味しさと手軽さ!!!

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おうち引きこもり生活の素晴らしい仲間が増えました。毎日おいしく新鮮な野菜を食べられそうです。無印さん素敵。

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