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江戸時代もバリアバリュー

障害がありながら将軍を務めた9代目の徳川家重と13代目の徳川家定。家重は重度の脳性麻痺で言語障害もあったとされる。自身の限界を知っていたからこそ、身分に関係なく優秀な人を重用した。

側近の大岡忠光だけが家重の言葉を聞き分けた。将軍就任から15年、家重は忠光らとともに時代を駆け抜ける。忠光が亡くなるとすぐ、家重は将軍の座を息子へ譲り、1年後、忠光を追うように逝った。

15人にいた徳川将軍の内2人が障害者であったことは、人口統計における障害者の数と乖離しない。幕府という強固な世襲制度があったといえど、障害者を排さず、支えた人たちがいたことに、強く心を打たれる。

歴史上、障害者が置かれた状況は、美談より辛く苦しい話のほうが多い。それでも時代に抗い、生き抜いた人たちがいる。先人の奮闘と功績があってこそ、「バリアバリュー」に繋がっていく。歴史に学び、未来を考え、行動し続けたい。

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上記は「徳川将軍家十五代のカルテ」という本を読んだときの読書メモです。休みの時間を使って資料を整理していると、著者の篠田達明さんは、僕が幼少時代を過ごした病院のドクターだったとわかりました…!

障害児専門病院で、同じ病室の子供たちとは励まし合いながら闘病生活を過ごしました。大切なことを教えてくれた場所、その場所にいた人たちのおかげで、今の自分があるのだと改めて感謝しています。

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