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短編小説

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2023年12月の記事一覧

小説「精霊」

「私が死んだらさ、どうしてもらいたいと思っていると思う?」
 ややこしい言い回しで彼女は聞いた。
「どうして、って何を」
「死んだ後の私を、ってこと」
「そうだね・・・毎月お墓に行くし、家にもちゃんと仏壇を作って毎日話しかけたり、死んだら退屈とかそういうのがあるか分からないけど、飽きないようにするよ、きっと」
「ありがとう、そのお墓のことなんだよ」
 彼女は、特に死ぬ予定があるわけではないのだけれ

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