アンダーシステム2024.10.13 WOMB
ひさびさのクラブでの小室さんのDJ。
テクノイベント「アンダーシステム」。
オーガナイザーは全員がZ世代とのこと。
vol.05となる今回、いわゆる「TKブーム」を体感していない世代と、レジェンドとのクラブ・カルチャーの邂逅となった。
とても貴重でバリュアブルなイベント。刮目しなければと詰めかけた人でフロアは超満員。
オーガナイザーでもある「SYSTEMS」のふたりがフロアを沸かせていく。
Underworldの「Born Slippy」が流れる中、小室さん登場。期待は高まり熱気が渦巻く。
Tiësto, Gucci Mane & Sevenn の「Boom」からスタート。
ユースのハートも掴むようなリズムとビートで飛ばしていくDJTK。
DJセットの傍らにはシンセサイザー access Virusが置かれており、これも小室さんならでは。
「シンセも弾きながらDJするんだ!」という若いオーディエンスの驚きの声も聞かれていた。
今日のDJTKはトランスとテクノのハイブリッドセット、と予告されていた通り、かなり攻められた構成。曲目も緻密に練られたようだった。
イベント後、小室さんのSNSにはこの日の「設計図」が投稿された。その中には2017年のULTRA JAPANで披露された未リリース曲PANDORAの「Anthem」や、伝説的なテクノ・トランスユニットGABALLの「Going Out Thing」なども織り交ぜられていた。
コアなファンもとても胸が熱くなるような選曲。オーガナイザーのリクエストもあったのだろう。決して懐古的ではなく、むしろ「いま」だからこそのセレクトではないか。
小室さんのセットの中にはストーリーやドラマが込められているように感じられた。
ショーのような。
喜怒哀楽、起承転結のような。
そして感情にも畳みかける振動と音色。
序盤の「動」から、William Orbitの「Barbar's Adagio For Strings」やChicaneの「Saltwater」での「静」、funnyなArmin van Buuren「Blah Blah Blah」などなど。
VJもAI生成を取り入れているような、先端をいくビジュアルでDJを沸き立たせていく。
そしてglobeの「outernet」からGABALL「Going Out Thing」へ。
感嘆に近い歓声が上がった。
結びは自身のビッグヒット・チューンで最高潮に。
安室奈美恵の「Can You Celebrate?」は小室さん自身のアルバムからの「Art Mix」。
フィナーレを飾ったのは、TM NETWORKのマスターピース、「Get Wild」。
「SICK INDIVIDUALS REMIX」と最新の「Get Wild」である「Continual」、2つを重ねてのスペシャルなミックスとなった。
飛び跳ね、手を上げるDJTK。
観客を自らの音の世界へいざなっていく、神々しい光景。
このレアで貴重な空間を、オーディエンスと共に全身で楽しんでいるようだった。
次のJUN INAGAWAさんとあいさつを交わし、会場の喝采に見送られる小室さん。賞賛と名残惜しさの声が響く。
そのまま、オリジナルの「Get Wild」を繋いでいくJUN INAGAWAさん。小室さんへのリスペクトとともに熱気は冷めやらぬまま。DJTKが残した余韻はいつまでも漂っていた。