Japan Expo Paris 2024 Tetsuya "TK" Komuro Live report(前編)
7月14日はフランス革命を記念したFête nationale française(建国記念日)というフランスにとって大切な日。
不思議なことに、1998年の7月14日にも小室さんはパリでライブを行っていた。それは、エッフェル塔前のシャン・ド・マルス広場で開催した
「RENDEZ-VOUS'98 ELECTRONIC NIGHT」。
パリ祭とワールドカップ・フランス開催(およびフランスの優勝!)を祝し、同国を代表するシンセサイザー奏者ジャン・ミッシェル・ジャール氏ともに主催したイベントだった。
今回のJapan Expoへの招聘は、彼のこれまでの功績をたたえた、
26年ぶりのパリでの凱旋公演と言っても過言ではないだろう。
シャルル・ド・ゴール空港から電車で2駅、会場のパリ郊外にあるパリ・ノール・ヴィルパント展示場。日本で言うなれば幕張メッセのようなコンベンション施設で今年のJapan Expoは7月11日から14日までの4日間に渡って開催された。
日本文化を紹介するたくさんのブースが立ち並び、イベントやライブなどの催しが盛大に行われた。
会場内に設置された大型モニターでは、小室さんのライブセッションの告知動画が流れ、いたるところに設置されているマップにも小室さんの写真が掲示されており、人気度や注目度の高さを表していた。
7月14日のパフォーマンス前に予定されていた小室さんのサイン会は先着順。
入場時間の9:30と同時に整理券はすべて配布終了となるなど、フランスでも人気は絶大。
改めて、小室さんの国際的な人気・認知度の高さを肌で感じる瞬間だった。
(なんと弊部は出遅れたため整理券も手に入らず…)
ちなみにサイン会に並んだ方々はほぼみなさん現地の方とお見受け。
弊部は離れたところでサイン会を拝見。
小室さんはおひとりおひとりとお話しながら、
カタカナでお名前を書いて差し上げていたようだった。
これはきっととびきりうれしい「ファンサ」だったのでは?!
幸運にもサインをもらうことができた現地ファンの方々は、
みなさんにこにことしたうれしそうなよい表情をされていた。
お友達と見せ合ったり、サインを宝物のようにファイリングしていたりと
日本と変わりないファンダムの熱意を感じた。
Fusion J-Music et anime Showcase par Tetsuya "TK" Komuro
日本文化のひとつとして海外から敬意を持って支持されているアニメーションの文化。小室さんが今までに多数のアニメへ楽曲を提供していることから、今回はアニメの主題歌を中心とした曲目、DJ+シンセのメガミックスというスタイルでのパフォーマンスとなった。
ライブ会場は「Yuzuステージ」と名付けられたイベント用スペース。2,800人収容の会場だが、すでに予定時間前から場内は満員。熱気と興奮に包まれていた。その収容数を超える観客が詰めかけていたとのこと(実際には2,831人が観覧)
小室さんが渡航前にSNSにポストされていた「機動戦士ガンダム」の原作者、富野由悠季監督からの激励メッセージがステージ上の巨大スクリーンで紹介され、早くも歓声が上がる。
機材のセッティングがはじまり、ステージにCDJとシンセが運び込まれる。また、機材の隣には大型のモニターも設置。やがて、司会者が登場し、小室さんの紹介をし、会場内が歓声や拍手に包まれる中、最近のライブ映像やこれまで手がけたアニメの主題歌などを織り込んだティザーが流れる。懐かしいバンパイアハンターDの映像も登場していた。
いよいよKing of J pop、名誉ゲストの小室さんがにこやかに手を振りながら登場。客席は興奮の渦に包まれる。
巨大なスクリーンにはフランス語で
ということばが映し出された。
隣に置かれたモニターには
との表示。
2022年3月に理化学研究所の革新知能統合研究センター音楽情報知能チームの客員主管研究員に着任された小室さん。
昨年のカンヌ・ライオンズでの生成AIを活用した試みや、今年4月と5月に行われたTM NETWORKのアリーナ・ツアーでのAIによる演出など、AIとのコラボレーションは最新の技術をわかりやすく私たちに体感させてくれる。
今回のJapan Expoでは音楽をリアルタイム生成したAI画像が映し出されるという。
前例のない、世界初かもしれない画期的なコラボも見どころ。
日本とは状況や環境が違うステージでの演奏は、それだけでも困難が多いと想像する。にもかかわらず新しい演出にトライしようという姿勢に小室さんらしいチャレンジングなスピリットが感じられる。
音楽と同じように、発想の豊かさと柔軟性の高さを保ち続けられることが、レジェンドと言われる所以のひとつなのだろう。
オープニングは2024年に公開された、劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」のワンシーンの映像から。
映画の冒頭の象徴的な場面である
「キラ・ヤマト、FREEDOM行きます!」
というセリフの部分が、なんと
「FREEDOM in Paris! 小室哲哉行きます!」
と吹き替えられている!!!
Japan Expoのための手が込んだスペシャル・サプライズ!!!
かっこいい!!!
そのまま同映画の主題歌である西川貴教 with t.komuro「FREEDOM」がライブの1曲目を飾る。
「I don't want to lose desire!」
と歌が流れるとオーディエンスのリアクションが瞬時に返ってくる。
たくさんの歓声が上がった。
小室さんもそれに応えるかのように両手を振り挙げ、
さらに盛り上がりは加速する。
同映画は日本でのガンダムシリーズ劇場版における歴代興行収入で最高を記録し、世界56の国と地域で公開、フランスでも上映された。
「FREEDOM」はオリコン・デジタル週間1位を獲得し、日本はもちろん、YouTubeの全世界MV急上昇ランキングにもランク・インしている。
楽曲が現地のファンにも認知されていることが伝わってくる。
同映画と曲がグローバルな人気を示すような華やかなオープニングだった。
(後編へ続きます)
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