フィリピン・メトロマニラの現代アートギャラリー紹介【毎晩オープニングパーティー】
フィリピンは約7,000の諸島が集まる島国。国の中心に位置するルソン島には首都圏のメトロマニラがあり、人口は東京23区以上の世界5位の大都市圏です。
さて、ここで質問です。
フィリピン・メトロマニラ内には、どれだけのギャラリーがあると思いますか?
美術館やアートギャラリー合わせて、およそ100以上です。
日本は9割は貸画廊(アーティストが画廊=ギャラリーに場所代をお支払いして展示するような形態)ですが、マニラでは皆無に等しく、ほとんどがコマーシャルギャラリーです。
本日は、マニラの代表的なコマーシャルギャラリーを紹介していきます。
WEST GALLERY
まずは「West gallery」
ケソン市を代表する老舗ギャラリーで4つの展示スペースを持っています。
オーナーのSoler Santos氏はアーティストとしても知名度が非常に高いです。
立地は高級住宅地の側にあるモダンな建物内にギャラリーを構えていて、隣のケーキ屋までオシャレで美味しいです。
FINALE ART FILE
マニラの老舗ギャラリー「FINALE ART FILE」は450m2の巨大スペース。圧倒されます。
フィリピンキュビズム時代の巨匠Ang Kiukokを育てたことで知られています。
セカンダリーオークションも手がけていて、直近ではトップ写真のMALANGが1,300万円程で落札されました。
VINYL ON VINYL
「VINYL ON VINYL」は、フィナーレ(FINALE ART FILE)に隣接する新しいギャラリーです。
一言でストリートとPOPカルチャー寄りではあるものの幅広いジャンルを受け入れています。
アートセントラル香港に出たり、日本のミヅマギャラリーとグループ展を企画するなど海外展開が進んでいます。
BLANC
「BLANC」は、2006年に創業してから現在ではブランチを統合して大きなホワイトキューブとレジデンススペースを併せ持っています。
展示していたClarence Chunはハワイ出身ですがフィリピンに移住して成功している海外アーティストです。
毎晩マニラのどこかでオープニングパーティーが開催
マニラのギャラリーでは、毎晩どこかでオープニングパーティーが行われています。
フィリピンのギャラリーは盛大にやるのでビールやワイン、食事を切らすことなく提供してゲストを思いっきりもてなしてくれるので人がたくさん集まります。
他のギャラリーの情報はアジアアート専門サイト「The Artling」を参考にしてみてください。
今の日本のマーケットは世界のアートマーケット約7兆円の0.5%未満と言われています。
最大のアートマーケットである米国がその40%を占めいています。しかし最近はアート界の状況が変わり、物凄いスピードで東南アジアが存在感を強めています。
法務省の統計によると日本には26万人のフィリピン人がいますが、多くが地方の出稼ぎ労働者であって、国民の中間層以上は景気が良いローカルに留まってグローバルに働いています。
今や日本人がアジアに出稼ぎに行く時代です。
あなたが抱くフィリピンのイメージを取っ払い、現地の実態を見に行くとモチベーションが変わるかもしれません。
ビジネス側面だけでないのがフィリピンのギャラリーの面白さ
コマーシャルギャラリーは、アーティストの売上で運営を成り立たせるため、通常は非常に厳しい合格基準でふるいにかけてみんなを面倒みません。
しかしフィリピンのコマーシャルギャラリーは、ビジネスの側面だけではないところが面白いところです。
実際にあった話ですが、僕が2年以上お世話になっているギャラリーとの出会いは飛び込み営業でした。
持参した作品を置いて来て日本に帰りました。そうすると後日メールが届き、オーナーが直々に作品を買ってくださりました。更には海外アーティストでは史上初の個展の招待をいただいたのです。
当時は実績が空っぽでした。通常コマーシャルギャラリーは作家の実績を見たり、作品のサブジェクトを細かく聞いてきたりします。
ですが、どんな人間かも知らないのに作品だけを見て、ポケットマネーを出して、一ヶ月間の個展のチャンスまで与えてしまうのです。
コマーシャルが新人に個展をさせるということは、世に売り込みをかける為に結構な先行投資を負担します。
結果的には、今でも立ち寄るたびにケーキをご馳走になりながら今後のアドバイスを聞いたり、家族のようによく面倒見てもらえる良い関係になれました。
このストーリーから気づいたことは、フィリピンはアートを権威の目を使わず、子供のように素直な目でアートを評価してくれるということです。
どこのレセプションに行っても、ギャラリーがアーティストに敬意を払っていることが伝わります。
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