フィリピンは現代アートバブル!日本人だけが知らない富裕層たちの世界
みなさま、初めまして。東京・丸の内にてフィリピン産マンゴー・パパイヤなどのトロピカルフルーツを輸入する業者で働きながら、アーティストとして活動している近藤太一です!
2016年4月、マニラのセカンダリーギャラリー「Final Art File」で日本人としては初の個展をさせて頂きました。
そこで得たアーティスト、ギャラリー関係者らとのネットワークから、5年程前からアートバブルが始まっていることを知りました。
これから2回に渡り、日本には入ってこないフィリピン・マニラの現代アート事情を紹介します。
フィリピン政府が国を挙げて支援。アートフェアフィリピンの実態
まずは毎年2~3月に行われるアートフェアフィリピンの実態を取り上げます。
アートフェアは聞いたことあるでしょうか?
簡単に言うと、早朝の築地市場です。脂が乗った作品を厳選し、各お店が自信を持って売りに出します。
実は、国が推し進めるアートフェアフィリピンでは、大手財閥の協賛の元にありえない程の投資が広告に使われています。それはまるでASEAN首脳会議と同等の扱いです。
これは政府と大手財閥企業が一緒になって作家とプロジェクトを支援しているという背景があるからです。
連日入場規制、大賑わいなので出展ギャラリーは儲けすぎてクタクタで終わります。
アートバーゼルにもギャラリー多数出展。フィリピンでアートが売れる理由
なぜフィリピンでアート作品がそれほど売れるのでしょう?
考えられる理由は「投資」と「コレクション」の2つです。
アートバーゼルなどの世界市場に出るローカルギャラリーが増えたことや、外向きの美術館が積極的にニューヨークやヨーロッパの美術館とタイアップして海外でのプロジェクトを始めるようになっています。
つまり作品レベルが世界で通用する為、投資目的として見られるようになったのではないかと考えられるのです。
実際に、現地のSALCEDO現代アートオークションでは、巨匠に限らず若手作家も値上がり傾向です。
コレクションというのは、インテリアのようなイメージです。
1980年代にアーティストビザを手に入れて日本のパブで働くダンサーが多かったように、フィリピン人は「表現=お金」という図式が身についているからでしょう。
ホームパーティーも日常的に行われるので、作品を会話の主題にして楽しむことが出来るのです。
世界三位の英語公用国。フィリピンの英語力とアートの関係
フィリピンの強みは、英語です。
現代アートの中心はアメリカ・ニューヨークであり、公用語は英語です。
フィリピンでは、小学校のうちから英語で授業がおこなわれ、人口のほとんどがネイティブレベルで英語を話すことができます。英語を公用語としている国としては、世界三位の英語話者人口です。
ちなみに、アメリカのコールセンターは実は、ほとんどがフィリピンにあります。
アートフェアでは、アメリカやイギリスなど英語圏のアートコレクター達が世界中から来ます。現場はあっという間に会場の熱気に飲まれてしまう程、ヤバイです。
アート市場は景気に左右されるので。様々なビジネスでも今後期待してもいいのではないでしょか。
次回は4月のArt In The Parkというアートフェアを取り上げます。実はこれを知るとアートバブルの裏側がぐっとわかるはずです。
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