開花。猛

蒼輝が聴いていた曲、ジェシカ。交代したらイヤホンから流れていた。
それぞれが自分の為に聴く音楽が在る。
久しぶりに聴いてみた、自分の心を救う為の曲。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


やりきったことをひとつ思い出した。
あの日、襲ってきた真っ黒い波に飲まれた日の事。心がねじ切れ、踏みつぶされそうな感覚、と気が遠くなって心がごちゃごちゃになっていく。でも、なんとか耐え切れた。
どんな事があって、感じて、しんどくても、耐えた。乗り越えた。
ソラがよく頑張ったって。乗り切ったって抱き締めて愛してくれた。

note.にも書いたけど、俺は昔どうしようもない存在だった。でも、生きるには必要だった。暴力も暴言も我を忘れて叫ぶことも。

でも本当の意味でやりたい事ではない。
人を傷つけたくなかった。でも気付いたら殴っていた。
自分の事だけでいっぱいいっぱいと言ったら本人にとっては聞こえはいいが周りからしたらとてつもなく迷惑きわまりない。
陽や内側のみんなが向けられる目や扱いが悪くなる事なんて考えてなんかいない。

そして 自分の事さえも気持ち面では正当化してるだけで結果的には傷付けている事になる。
気付くまで時間がかかった。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ソラは「お前は嫁であり、弟。」よく言ってくれる。基本的に褒められる事が少ない。多分対応としては他の子より冷たくみえたりキツく見えるはず。
実際しんどい。しんどいけど愛されてると知っているから耐えられる。

「どんな事があっても乗り越えていける。」「不可能を可能にできる。」
「お前らを信じてる。自分を信じられなくなったらお前らを信じてる俺を信じろ。」

ソラに会いたい。新幹線乗り場で見送って帰る時、泣きそうになった事。離れたくなかった事。帰りの電車で寝過ごしそうになった事。家に帰ってきて一人きりの部屋が広かった事。煙草の吸い殻が残ってた。残されたマルボロ。突発的に部屋の配置変えたりした。笑

全然思い出せなかった。
いや、思い出さなかった事思い出してる。

夜中に観たテレビ。手を繋いで歩いた夜道。コンビニではしゃいだ。酒作ってくれた。盛大に吐いた。

どんなこともきっと他の人から見たら大した事ではないかもしれない。
でも俺達にとってめちゃくちゃ大切な事。かけがえのない時間。

記憶が蘇ってくる。感情に帯びる熱。
やり切れる。大丈夫。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?