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【一幅のペナント物語#33】君は脱出できるか?休養村のレトロサイト

◉真っ赤な旦度橋(たんどばし)の欄干にかかる錦の紅葉。その横にデカデカと書かれている「永源寺」は滋賀県の東近江市にある臨済宗・永源寺派の総本山にあたる由緒あるお寺である。紅葉の名所として知られており、Webのあちこちにペナントの絵柄を超える見事な景色がアップされている。

紅葉の永源寺・山門(撮影:poohyutaka様)

◉ペナントで注目したのは中央部分に描かれた地図だ。永源寺ダムを中心に「大本山永源寺」の名前や目印となる辻などが記されているのだが、なにやら「自然休養村センター」という施設だけが赤い文字で強調され、建物やテントのシルエットまで丁寧に描き込まれている。もしかすると、これは「永源寺」のペナントというよりは、「永源寺」の名を借りて「自然休養村センター」が販売用に発注した一品ではないか? 

地味に自己主張が激しい自然休養村センター

◉テントの絵が添えてあるということはキャンプサイトなども兼ね備えた、昭和の古き良きアウトドアスポットのようだ。さっそくググってみる。なんとなく名前からしても少年自然の家のように激減種で、令和の世の中にはもう存在していない気が強くした。そしたらば、市の公式観光HPに堂々と掲載されているではないか! しかもたぶん当時の建物のまま、当時の名前のままである。

まさしく昭和観光シーラカンス。今は産直コーナーやレストランなどの運営をしている施設のようだが、キャンプなどの宿泊施設はもうやっていないのかと思い、市のHPにあるリンクに飛んでみると・・・

しょ、昭和なホームページ!htmlタグの香りがする!

昔懐かしい訪問者カウンターが「あなたは19437番目の訪問者です」と迎え入れてくれた。ここ名前からして、行政管轄の施設だと思うので、まあこういう展開もある程度予想はしていたが、それにしてもモノ凄いタイムスリップ感である。2021年11月の紅葉の案内で更新が止まっているようなので、ちょっと気にはなるが、営業自体はまだやっていそうだ。ただしキャンプ宿泊などはメニューに無いので食事・休憩施設にシフトしている感じ。

◉このHP面白いのはメニューのリンクから他のページに行くと、どんどん新しいタブで開いていって、しかもHOMEへのリンクが貼られていないので、最初に開いたページを閉じてしまうと、どのタブからも二度とHOMEに戻れないというトリッキーな作りになっているのであった。でも、紹介されている永源寺の紅葉写真はどれも美しいので是非見に行ってみてほしい。

HPの右下にある「鈴鹿山麓・愛知川渓谷 もみじの里 永源寺の四季をお楽しみください」の下の春夏秋冬の写真からは、隠しステージの「おいでやす永源寺」という写真アルバムに行くことができるので、そちらも是非! こちらも元に戻ってこれなくなるので注意だ!

◉自然休養村センターのSHOPのページには、さすがにペナントの姿は見かけなかったものの、こういう昭和な建物とホームページがいまだ現役で頑張っているというのは、なぜか嬉しかったりする。頑張れ、自然休養村センター!

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