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マラソンしながら孫できた!?

マラソンのゴールを切るまでに孫ができちゃった!ってホント!?

マラソンの最高記録…ではなく最長記録、つまり最も遅いタイムは…
なんと、54年8ヶ月6日5時間32分20秒3!
そこには、ほろ苦くあたたかいエピソードが・・・

記録保持者は「マラソンの父」と呼ばれる
故、金栗四三(かなぐりしぞう)氏。

1912年、第5回五輪夏季大会はスウェーデンのストックホルムにて行われ、
陸上の三島弥彦選手、金栗四三選手のふたりが日本人として初出場を果たしました

圧倒的な速さの外国人選手の前に短・中距離の三島選手はあえなく予選落ち。
一方、マラソンの金栗選手は国内の選考会で当時の世界最高記録をマークしていたほどでしたが…当日の猛暑に途中棄権!
正式に届けをしなかったため「消えた選手」となってしまったのです

その後、金栗選手は第7回アントワープ、第8回パリ大会と出場。
現役引退後は 若手ランナー強化に励み、箱根駅伝の誕生にも尽力しました。

無念のストックホルム大会から54年後、そんな金栗選手のもとに一通の手紙が…

「翌1967年にストックホルムで『オリンピック55年祭』があります。そこでゴールを果たしてください」
というスウェーデンオリンピック委員会からの通知でした。

競技場にはあの日切ることのできなかったゴールテープ。
満員のスタジアムの中、金栗選手がそのテープを切ると同時に響き渡ったのは、「日本の金栗選手がただ今ゴール。タイムは55年間…これで第5回ストックホルム大会の全日程を終了しました!」
というアナウンスでした。

金栗氏、75歳。
スウェーデン五輪委員会の粋な計らいに、
こんなスピーチで応えています。「長い道のりでした。この間に孫が5人できました…」

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