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ベテラン教師の「理論」を自分の経験で語ることで学ぶ会(第4回)に参加して

ベテラン教師の「理論」を自分の経験を語ることで学ぶ会の第4回に参加させていただいた。

 今回のテーマは、「ヒドゥンカリキュラム」。

 多賀先生の本から引用すると、ヒドゥンカリキュラムとは、「潜在的教育効果」のこと。直接的な発問や指示以外のところで、教師がさまざまなメッセージを伝えている。それらが教育効果として、プラスに働くときも、マイナスに働くときもある。また、教育的効果を意識して使うときと、無意識のうちに使ってしまっているときがある。こうした直接的効果を総称して、「ヒドゥンカリキュラム」という。

 多賀先生は、授業における「ヒドゥンカリキュラム」として、以下の8つを今回の会で話をされていた。多賀先生の本の言葉を引用しながら、説明していく。

①注意ではなく、手をかける。

 若い教師は、注意を多くしてしまう。それが、授業の雰囲気にも影響する。直接的な注意ではなく、静かにしてほしいときにその子の傍による。ノートを開いていない時は、その子の傍によって一緒に準備をする。このような行動をすることで子どもへの直接的な注意を減らすことができる。

②遊びがある。 

 45分、真面目な話ばかりをしていると教師も子どもも疲れてしまう。遊びがあることで、教師も子どもも心のゆとりが生まれ、授業の雰囲気も良くなる。例えば、自分は授業の中で一つは笑いを取り入れるようにしている。

③マイナスをプラスに転じる。

 一見、マイナスだと思うことでも教師がプラスに変換することで、学級の雰囲気がよくなる。例えば、自分は

④侮辱を訴えととらえる。

 子どもが教師に対して、侮辱的な言葉を言う。そうすると、どうしても腹が立ってしまう。しかし、その侮辱は、その子どもの教師に対する侮辱、心の訴えととらえれば、子どもの侮辱に対する教師の考え方も変わる。

⑤遅刻なし、延長なし

 子どもに「時間を守らないといけない」伝えているにも関わらず、教師が授業遅刻、授業延長をすると「時間を守らなくてもいい」というメッセージを子どもたちに伝えてしまう。もし、守られなかった場合、心の底から教師が子どもたちに向かって謝罪することが大切。

⑥面白い授業ネタを持っている。

 ちょっとしたネタを持つ。授業ネタというものは、子どもを惹きつける貴重な手段。

⑦「後で」という言葉に責任を持つ。

 教師は、「後で聞くね」と言いながら、その約束を破ってしまうことがある。それは、子ども一人一人を大切にしていると言えない。「後で」と言ったら、必ず聞くこと。それが子ども一人一人を大切にすることに繋がっていく。

⑧子どもを追い込む「怖さ」がある。

 これは、子どもを支配するような怖さではない。「この先生には、いい加減な答え方では通用しない」「真剣に考えなければいけない」とかいうような気持ちにさせる怖さのことである。考えるところに追い込むような授業は、子どもの力になる。

 多賀先生の話や先生方と話していく中で、自分が感じたことが以下の3つである。

①現状に満足しない。

 最後に多賀先生がおっしゃっていた言葉に「何か絶対落としているものがあるという前提で子どもと接する」ということである。この言葉がとても印書に残った。自分が思うヒドゥンカリキュラムを言葉にしたが、「実際、矛盾していることを子どもたちにしてしまってるな」と感じた。日々の実践の中でも、これはできていないという反省点がある。自分は、すべて落とさずにできていると考えるのではなく、落としているものがあると考えるからこそ、謙虚になれるし、子どもたちとともに成長できると思う。日々、落としてしまっているものは、何か。それを日々振り返り、改善していこうとするところに面白さがあると感じた。

②言葉にすることの大切さ

 今週、ヒドゥンカリキュラムの本を読んだり、言葉にすることでそれを意識して過ごした。言葉にしないと意識できない。また、意識するのとしないのとでは、子どもへの効果は大きく違ってくると思う。このように自分が思うヒドゥンカリキュラムを言葉にすることで今後子どもと接する中で、意識できるようになっていくと思う。

③最初の第一声の大切さ。

 これは、ヒドゥンカリキュラムの話とは少し外れるかもしれないが、この会では始めに一カ月間の子どもとの出来事を話す時間がある。つまり、リフレクションである。参加者の先生方が、一通り話した後、上條先生がおっしゃられた言葉が印象の残っている。

「第一声、振り返りをどこから話すかが大切。」

 自分は、今日々のリフレクションを書くようにしている。その時、この場面を相手に伝えるためには、どこから切り取っていこうということを常に考えながらリフレクションしていきたい。このようなトレーニングをすることで、語りがうまくなってくると思う。

 最後に、まず前提として大切なのは、会の話にもあったが「子どもを面白がる」こと。子どもたちとの日々の生活を楽しみながら、一日一日を大切に過ごしていきたい。



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