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村川凪選手の戦力外通告について思うことを書き連ねてみた

2024年10月1日、横浜ベイスターズから村川凪選手(以下選手名は敬称略)はじめ10人の選手と来年度の契約を結ばない旨の発表がありました。
規定上育成3年目を終えた村川は自動的に自由契約となりますが、同条件の九鬼・粟飯原は発表に含まれていないため再契約の可能性は低いと考えられます。

既に発表されたことであり覆る可能性は低いかと思いますが、この決定についての私の思うことを感情のままに書いていきます。
私は決して有識者ではありませんし、二軍の試合映像を細かく見ているわけでもデータに特別詳しいわけでもありません。1ファンの感想としてあまり期待はしすぎないで頂けると幸いです。
また、ベイスターズの既存外野手、主に神里・関根との比較があります。当該選手のファンの皆様には不快な思いをさせてしまうかもしれないことを先に謝罪させていただきます。

プロフィールと成績について

まずは村川の現状について簡単に振り返ります。

1998年6月28日生まれ 26歳 外野手 右投左打
徳島IS→3年目(2021年育成1位)
獲得タイトル→二軍盗塁王(2023)

2024年ファーム成績
74試合 .308(107-33) 0本 8打点 36得点
10四球 25三振 出塁率.364 長打率.421 OPS.785
12盗塁 8盗塁死 盗塁成功率.600

元々遅咲きの選手で大学4年・独立1年を経てのNPB入りということもあり、年齢的な猶予があまり無い立場の選手ではありました。
1年目22年こそ打撃、走塁ともに苦しみましたが、23年は.280に29盗塁と成長を見せファーム盗塁王も獲得し、24年開幕までには支配下も確実かと思われていましたが、一軍キャンプ昇格したすぐ後という最悪のタイミングでの怪我もあり支配下を逃したまま開幕を迎えることとなりました。それでも昨年よりさらに成績を上げることに成功し、OPSは昨年比.144、ルーキーイヤーからだと.237伸ばすなど成長のアピールを続けていました。
しかし、年齢的な問題や梶原、蝦名、度会、井上といった打力が武器の若手外野手の台頭もあってか、残念ながら今回の戦力外通告となってしまいました。

果たして戦力外は妥当なのか、同タイプの選手と比較してみる

ここからは完全に私の持論にはなりますが、彼の戦力外を私が妥当ではないと思っている理由を語っていきます。

まず、チーム内での彼の競争相手を把握する必要があります。
先程打力のある若手外野手の台頭の影響について触れました。村川自身も今期は打率.300、OPSも.800に近い数字を残しており打撃面でも優秀な数字を残したのは間違いありません。しかし3年間で700打席近く立ってHRは0本ということが示す通り決して強打者タイプ、打力がウリの選手とは言いづらく、むしろ守備走塁に強みを持つ選手、スタメン起用より途中出場で輝くタイプということが出来るでしょう。

今のベイスターズにおいて同じ強みを持つ選手は、神里・関根の2人です。桑原も守備走塁に秀でた選手ですが、彼は他の3人より優れたスタメンで起用できるだけの打力を備えているので今回は比較対象外としたいと思います。

では、村川と神里・関根の比較をしていきたいと思います。
まず、村川が他の2人、というよりベイスターズのどの選手より優れていると言えるものがあります。

スプリントスピード、つまり純粋な走力です。
現状代走で起用されている知野や森、林、梶原など他の瞬足選手と比べても抜きん出ているといえるでしょう。
私はこれだけでも戦力外が妥当でないと言える理由になると思っています。理由は後述します。

しかし、当然ながら村川にも劣っている部分があります。実際、私もそれを理由に戦力外を肯定する意見をTwitterで沢山見ました。
それが、「守備力」と「盗塁技術」です。
守備力について、村川は主に打球判断、落下点への入り方などに課題があると言われています。私もこの部分に関しては同感です。一方神里・関根の2人に関しては一軍CF起用も可能なだけの守備力を兼ね備えているのは確実で、明確に劣っている点と言えるでしょう。

また、二軍で成功率.600に留まっている盗塁技術も、決して高いものとは言えないでしょう。昨年は.700を残していただけにこの部分で成績を落としてしまったのは首脳陣の心象も良くなかったのかもしれません。

劣っている2つの点を踏まえてなお戦力外が妥当でないと言える理由とは

しかし、その2点を踏まえても私は村川はチームに残すべき、むしろ神里関根より優先して一軍に置くべきと考えています。理由について、劣っている2点それぞれから説明していきます。

まずは守備力について。
試合途中からの出場の場合、守備において期待されることはスタメン起用される守備難の選手と比較して守備を固めること、すなわち守備固めです。
ベイスターズにおける守備固めが必要な選手といえば佐野と筒香の2人です。
何が言いたいかお分かりでしょうか。
基本的にレフトの彼らの守備固めの選手に、一軍レベルでのセンター守備力は決して必要ではないと私は考えています。
センターのスタメンは現状基本的に桑原、梶原、蝦名で回っています。来年以降は度会と井上、新戦力選手が入ってくる可能性はありますが、私にはこのメンバーが揃っている中であえて村川にセンターを守らせる必要性が感じられません。レフト守備において佐野筒香より優れている、レフトを1人前に守れたらそれで十分なのです。

もう1つの盗塁技術についてはどうでしょうか。
確かに、周東(鷹)や和田(鴎)、並木(燕)のような盗塁のスペシャリストをベンチに置きたいのであれば村川では物足りないかもしれません。
しかし、今のベイスターズにおいて必要なのは盗塁が決められることより1つ先の塁を狙える走塁だと私は考えています。
ツーベースで一塁から生還すること、シングルヒットで一塁から三塁に、二塁からホームに進めること、外野フライや内野ゴロ、バッテリーエラーで1つ先の塁を狙えること、これらの能力の方が間違いなく大事でしょう。
村川の走塁判断には定評があり、実際にただのレフト前ヒットをツーベースにするなど判断力や思い切りの良さは二軍で見せています。守備レベルが上がる一軍での貢献度は未知数ではありますが、彼の類稀なスプリントスピードは一軍でも通用することは間違いないでしょう。

盗塁は成功率が低ければ得点期待値を低下させてしまう非常にリスクの高い戦術です。今のベイスターズに、村川を含め終盤この戦術を有効活用できる代走の切り札候補は見当たりません。そうであれば、純粋な走力で抜けた存在である村川が1番代走として貢献出来るポテンシャルを持っていると言えるのではないでしようか。

終わりに

先述した通り毎年OPSを.100以上向上させるなど、3年間で大きく成長した姿を見せてくれた彼がこのまま報われることなくベイスターズのユニフォームを脱ぐことになるのが、私としては非常に悔しいことです。
もちろんNPBという厳しい世界の中で時にシビアな決定が必要になるのも事実です。もし守備力や盗塁技術でさらにアピール出来ていたらまた違った世界線があったのかもしれません。
こうなってしまった以上、ハマスタのダイヤモンドを駆け巡る彼の姿を見られる可能性は限りなく低いことでしょう。
それでも、彼がどこかで野球を続けている限り、もしかしたら敵としてかもしれませんがその勇姿を見れると信じてこれからも応援し続けていきたいと思います。

戦力外の知らせを見て感情の整理も出来ないまま書き連ねた拙い文章でしたが、読んでくださった皆さん本当にありがとうございました。
今後とも私Hotoppeを何卒よろしくお願いいたします。


PS:颯、凪の意志を継いで来年は勝ちパ定着orローテ定着目指して頑張ってくれ。

出典:スポーツナビ、プロ野球データfreak 各村川凪選手個人ページ

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