2028:シーズン総括【鹿児島リーツジェイズ】

皆さんこんにちは、Hotoppeです。

今日は2029年シーズンに入る前に、軽く昨シーズン、2028年を振り返ってみたいと思います。

終わってみれば3連覇を達成こそしましたが、シーズンの半分以上は借金生活と、長く苦しい時期が続いたシーズンでもありました。
特に投手陣がなかなか安定せず、常に胃薬を必要としていたファンの方も多かったかもしれません。
終盤は復調し、101試合目以降を29勝13敗1分と怒涛の勢いで捲り上げると、最終的には76勝65敗2分で勝率を.539とし、全く同じ勝敗数だったサンスターズを2027年の順位で上回った分大逆転で優勝を手にすることが出来ました。8月以降の鹿児島県の盛り上がり方は常勝気味の近年でもなかなか見られないものでした。

ということで、29シーズンを前にしたチーム状況を把握するためにも、投打双方を軽く振り返っていきたいと思います。

投手編

チーム成績

失点数:673(リーグ4位)
防御率:4.37(リーグ3位)
先発防御率:4.71(リーグ3位)
完投:2(リーグ4位タイ)
完封:2(リーグ3位タイ)
リリーフ防御率:3.77(リーグ3位)
ホールド:131(リーグ1位)
セーブ:34(リーグ4位)

全体的に打高傾向が強い中、目に見えて優れた部分はないものの先発、リリーフ共にリーグ平均レベルで耐えてくれています。経験豊富なメンバー、他球団を戦力外になってから鹿児島で復活した選手が大きな貢献を見せてくれていますが、代わりに期待できる若手がなかなかいないのは寂しい部分かもしれません。
それでは先発、リリーフそれぞれの選手についてみていきたいと思います。

先発陣

主な先発投手  年齢は2028年時点、以後略
#11 小笠原大樹(31) 右右
26先発 172.1回 11勝 4敗 3.50 158奪三振 WHIP1.24
#64 橋本皓太(31) 右右
21先発 132回 16勝 2敗 3.89 99奪三振 WHIP1.46 最多勝 最高勝率
#35 菅原寿央(26) 右右
17先発 104.1回 7勝 1敗 3.36 95奪三振 WHIP1.30
#21 湯井玲音(29) 左左
17先発 94.1回 4勝 8敗 5.53 70奪三振 WHIP1.63
#13 森谷潤(28) 右右
16先発 90.1回 3勝 3敗 4.08 64奪三振 WHIP1.53
#24 島田宏海(27) 左左
14先発 81回 6勝 6敗 4.11 78奪三振 WHIP1.53

正直、先発防御率がリーグ3位とは思えないほどかなりキツい部分が多かったです。規定到達者はエース#11小笠原大樹のみで、もう一人のエース#21湯井玲音は能力的にも早くも衰えが見えるなど期待外れの結果に終わってしまいました。
その中で、100イニングを防御率3点台で纏めてくれた#64橋本皓太と#35菅原寿央の2人には感謝しかありません(内容には目を瞑る)。信じられないほどの橋本の勝ち運を見るとむしろ29年が心配になります。12QSで16勝とかおかしいよ。
#13森谷潤と#24島田宏海、あなた達はドラ1なんだからもうちょい頑張ってください。あとはハズレハズレ1位とはいえ26歳、即戦力期待だったルーキー#18安井稔尚がプロの壁に跳ね返されたのも痛かったです。29年は成長した姿を見せてほしいところ。1勝に留まった32歳#22久田漣、27年ブレイクも28年苦しんだ#30山本隆嗣、左サイドの25歳ブラジリアン#46アレックスあたりも、悔しさをバネに29年こそは活躍を期待したいです。

リリーフ陣

主なリリーフ投手
#16 斎藤幸汰(28) セットアッパー→クローザー
55登板 54回 6勝 7敗 14H 16S 2.67 45奪三振 WHIP1.15
#45 松藤宏和(38)
53登板 49.1回 3勝 2敗 20H 3S 3.47 40奪三振 WHIP1.26
#19 庄司透琉(32)
52登板 50.2回 2勝 3敗 37H 0S 2.49 45奪三振 WHIP1.26
#15 芦沢柊(29)
50登板 45.2回 5勝 4敗 17H 15S 3.94 33奪三振 WHIP1.27
#14 生駒維樹(30)
47登板 44.2回 1勝 3敗 23H 0S 2.82 36奪三振 WHIP1.14
#68 明石奏汰(26)
40登板 45回 1勝 2敗 8H 0S 3.00 36奪三振 WHIP1.38

先発と比較すると数字は良く見えますが、頼りなさは体感あまり変わらなかったリリーフ陣。守護神#15芦沢柊が5月に月間防御率10点台と大炎上、結局シーズン途中で配置転換された後は流動的な起用となりますが、代役を務めた#16斎藤幸汰と2人で11勝11敗なのは良くありません。彼らに繋ぐまでの7-8回にはそこそこの駒が揃っていただけに、最後で躓いてしまう試合が多かった印象です。ベテラン38歳#45松藤宏和、中継ぎ転向で花開いた#19庄司透琉ら勝ちパターンは30台が多く、20代で目立った成績を残したのは戦力外から這い上がった#68明石奏汰くらいしかいないのが29年以降の不安要素になってきます。中継ぎは正直1年なら何とかなる選手もいるので、固定メンバー以外は手探りという状況はしばらく続きそうです。

野手編

チーム成績

得点数:745(リーグ1位)
チーム打率:.267(リーグ1位)
安打:1379(リーグ1位)
二塁打:250(リーグ1位)
三塁打:28(リーグ1位)
本塁打:137(リーグ3位タイ)
盗塁:239(リーグ1位)
三振:1065(リーグ5位)
四球:581(リーグ1位)
犠打:14(リーグ6位)
犠飛:41(リーグ2位)
併殺:58(リーグ最少)
失策:81(リーグ5位)

平凡な投手陣とは対照的に、多くの項目でリーグ最高の成績を残した野手陣。特筆すべきはスピードで、盗塁数に限らず二塁打、三塁打、併殺数といった分野で結果を残しています。三振は比較的多いですがその分四球も多いので結果オーライといった感じ。ただ気になるのは本塁打数がここ10年間で最少となったことでしょうか、それでもリーグダントツの得点数を誇っているのですが。

ベストオーダーと控えメンバー

1番 SS #2 樋口佑征(26) 右左
143試合 .320(620-199) 31本 106打点 62盗塁 OPS.960 MVP 最多安打 B9
2番 2B #37 堀川倫杜(30) 右左
107試合 .303(419-127) 9本 58打点 27盗塁 OPS.798 GG
3番 DH #1 須賀史哉(24) 右右
125試合 .275(461-127) 18本 76打点 23盗塁 OPS.835
4番 RF #4 城悠貴(29) 右右
142試合 .268(589-158) 24本 106打点 27盗塁 OPS.787 B9 
5番 1B #12 杉山結人(28) 右右
130試合 .265(512-136) 13本 70打点 11盗塁 OPS.697
6番 3B #33 雨宮朝燈(28) 右左
74試合 .246(239-59) 9本 29打点 0盗塁 OPS.730
7番 LF #62 石澤碧(24) 左左
88試合 .265(271-72) 1本 34打点 0盗塁 OPS.647
8番 CF #6 小暮純也(31) 右左
108試合 .254(326-83) 1本 27打点 25盗塁 OPS.674
9番 C #20 酒井帆天(28) 右右
107試合 .240(324-78) 1本 27打点 9盗塁 OPS.633

控え
C #23 高橋啓吾(26) 右左
33試合 .310(100-31) 2本 13打点 0盗塁 OPS.785
3B #8 桂義大(25) 右右
74試合 .238(218-52) 3本 36打点 19盗塁 OPS.687
1B,3B #47 小山内秀紀(34) 右右
51試合 .263(171-45) 3本 2打点 0盗塁 OPS.700
1B,3B #44 西山颯基(28) 右左
25試合 .408(71-29) 7本 30打点 3盗塁 OPS1.260
2B,1B #34 加藤勝暉(26) 右左
56試合 .370(54-20) 0本 8打点 14盗塁 OPS.905
2B,SS #7 謝花敏矢(26) 右左
25試合 .302(43-13) 0本 5打点 5盗塁 OPS.771
OF #50 ダミアン・ララ(23) 右右
46試合 .223(130-29) 4本 18打点 6盗塁 OPS.664
OF #38 古川柚輝(34) 右左
38試合 .217(124-27) 3本 13打点 1盗塁 OPS.613
OF #27 生田聖也(25) 右右
39試合 .275(120-33) 0本 15打点 7盗塁 OPS.663
OF #9 久川恵太(35) 左左
22試合 .147(61-9) 2本 6打点 0盗塁 OPS.458

まず目を引くのは圧倒的な上位打線でしょうか。球界のトップスターで5年連続MVPの#2樋口佑征はもはや言うまでもない活躍ですし、#4城悠貴も上位打線で安定した活躍を見せ初のB9を獲得しました。2年目#1須賀史哉も4月こそ苦しみましたがそれ以降はコンスタントに打ち続け、2年連続OPS.800を超える素晴らしい活躍を見せると、そんな若手に負けてたまるかとポジションを争う#37堀川倫杜が30歳にして誰も予想しなかった大活躍。前年わずか10試合のみの出場にとどまった男が5月に月間.416と打ちまくり打力でレギュラーを掴むと、8月以降は少し苦しみOPSも.800こそ切ってしまいましたが何とか.300はキープし、守備でもGGを獲得するなどチームを攻守に引っ張りました。

一方で苦しんだのが5番以降の下位打線。#12杉山結人は3年連続の2桁本塁打2桁盗塁こそ達成するもOPSを前年より.100近く落としてしまいました。まだ28歳なのに能力面でも低下がみられるのが心配なところです。
そしてレギュラーを固められなかったのが3B、LF、CFの3ポジション。
3Bでは#33雨宮朝燈が4年連続2桁本塁打こそ逃すも9本放ちパンチ力と守備力を武器に活躍…と思いきや6月と8月にそれぞれ4本・5本放ったもののそれ以外の0本とあまりにも波が激しく、定位置を掴み切れず。そんな中多く出場したのが#47小山内秀紀と#8桂義大。しかし両者ともまた波が激しく、空いた定位置を掴むには至りませんでした。そんな譲り合いが繰り広げられる中、颯爽と二軍から現れたのが#44西山颯基。8月に昇格すると32打席で.482と打ちまくり、9月もその勢いは衰えず41打席で.416、15安打で6本とさらに大爆発。わずかな打席数ながら9月の月間MVPまで獲得しました。彼が28年の大逆転優勝の原動力の1人だったことは間違いないでしょう。

外野ではブレイクを見せたのが6年目24歳の#62石澤碧。高いバットコントロール技術を武器に前半戦アピールしましたが、長打不足が否めず後半戦は失速気味になってしまいました。CFでは長年GG級の守備とOPS.750前後の打力でレギュラーを掴んでいた#6小暮純也が打撃の調子がなかなか上がらず、守備力こそ衰え知らずも完全に固定とは行きませんでした。その2人の隙に出場機会を得たのが、スペイン人で独立リーグからやってきた新外国人#50ララと戦力外崖っぷちだった#27生田聖也です。しかし、ララはパワーとスピードでアピールを見せるもまだ完全に適応は出来ず、生田もまた石澤のようにコンタクトは出来るが長打に欠ける部分があり定着できず。
そんな苦しい外野事情になった原因はまだまだ期待したかった#38古川柚輝と#9久川恵太が予想以上に衰えに苦しむこととなったからにほかなりません。27年から相当成績を落としていた久川はともかく、27年に21本OPS.766だった古川にはもう少し頑張ってほしかったところです。久川は25年に40本124打点で二冠、30本3度のレジェンドですが28年限りで別れを迎えることになってしまいました。東北での再起に期待です。

捕手は強肩に高い捕手能力、そして最低限の打力を持つ#20酒井帆天が重用されてきましたが、2年連続で.300を超える打力を見せた#23高橋啓吾も控えており、この2人でほぼ完璧に回すことが出来ていました。しかしその中に大卒3年目ドラ1#5有村玖真が入れていないのが残念です。

また、堀川のブレイクに割を食った形となったのが二遊間を守る#34加藤勝暉と#7謝花敏矢です。須賀が入団するまで2Bに苦しんでいたチームが即戦力期待で指名した2人が、堀川と併せて須賀入団後に覚醒したことでチームの二遊間の層がとても厚くなりました。しかしSSには樋口がいて、2Bの須賀と交代交代でDHに回したとしてもスタメンになれるのは1人のみ、そしてその枠を堀川に取られてしまった2人でベンチ枠を争うことに。その2人も打撃好調で、加藤に至っては50打席以上立った選手ではチーム2位のOPSを残しつつも多くの出場機会は得られませんでした。結局、代走と1B守備固めを兼任した加藤が1軍の座を掴み、一方の謝花は27年に200打席で.322とブレイクを果たし、その翌年も高打率をキープしたにも関わらず出場は25試合に留まるという不憫な結果になってしまいました。なお、このさらに裏でひっそりと、27年70打席とはいえ.713をマークした26歳強肩遊撃手#56高村洋介が一軍未出場でシーズンを終えていました…みんな可哀想すぎる。

最後に

こうやって各成績を見てみると、ドラマチックだった大逆転優勝はどちらかというと必然的なもの、収束した結果と言えるのかもしれません。リーグトップの打力とリーグ平均レベルで耐えている投手力で負け越していた方がおかしいと言えるでしょう。
基本的な戦力は29年も大差ないことが予想されます。現実世界ならトレードやコンバートなどで二遊間の戦力を外野に配分したいところですが、前回の記事で言った通りそれは叶いません。
次回はオフシーズン、ドラフトなどの動向を経た29年開幕前のチーム初回&29年の展望を行っていきたいと思います。

それではこの辺で。お読みいただき、ありがとうございました。



皆さん、気付かれたでしょうか。
こいつ、優勝したのにCS日シリの話何もしてない……

はい、実は鹿児島は3年連続日シリで敗北しています。その相手は3年連続で新潟フレイムス。もはやトラウマです。新潟怖い……

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?