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思ったことの発表

こちらのツイートを拝見して、いろいろ考えてました。以下は個人としての見解で、所属する企業や団体とは一切無関係のものです。

マーチングを広めることで、一番いいことは実際に見てもらうことに変わりないとは思います。でも果たしてそれはガチでやってる「大会(=コンテスト)」が一番良い機会なのか。

個人的には、大会とかそんなに大規模じゃなくて、どんなきっかけでもいいから見てもらうことでいいと思います。それには他ジャンルとのコラボや親しみやすいイベントでのパフォーマンス披露が手っ取り早いでしょう(ここ数年スポーツイベントに関するお仕事を通じて感じていました)。例えば、前者ならプロスポーツのゲストパフォーマンス出演や、後者ならパレードイベントくらいでも見る人には十分インパクトと満足感は与えられます。

で、野球やバスケの試合を観に行ったことがきっかけでマーチングを知った、好きになった人に、ガチンコでやってるショーの映像を見せて、「どう? かっこいいでしょ? 大会来ない?」というのは正直無理がある。WBCで野球ハマった人が東京ドームにプロ野球観に行くのとはワケが違う。今やプロスポーツの試合は、試合を主体としながら、飲食やエンタメが詰まった工夫を凝らしたコンテンツです。満足度の高いコンテンツとなるよう、マーケティングのもと施策がなされ、リピーター獲得にも注力しています。何より、ガチで見る人もライト層もオッケーな、開かれた雰囲気が作られています。一方今のマーチングの大会は「気になったから行ってみようかな」というノリで行けるような、気楽に見られるようなものになれていません。ハマる人もいるでしょうが、持続可能なコンテンツかと言われると難しいです。
(これは審査競技の難しいところではありますが、そもそも「審査競技としてマーチングを広めたいのか?」という話にもなるので割愛します)

数多のエンタメがある中でコンテンツとしてマーチングを選ぶ価値があるか、それを決めるのは見る側で、やる側ではないと思います。選んでもらうには世間に認めてもらうようにしていく必要があります。吹奏楽の中でも「マーチングバンド」だけに限定すると、アマチュアプレーヤーが支えている、音楽ジャンルの中でも極めて局所的な世界です。芸術的価値があることはわかっているけど、やってる人たちだけが知ってる状態では変わりません。やる側が取り組むこととしては、気軽に見る機会を増やし、見る人を増やし、そして見る人を育てていくことではないかな思います。

そのためには大会やイベントをしっかりと事業化し、収益化できるようにして、社会的価値と知名度の向上、芸術的価値を広く一般に広める必要があります。なので、それすなわち大会か、というと一段飛びじゃないかな〜と思ったわけです。

あとなぜ日本の大会映像が世に出ないか、いろんな意見があるけど個人的には「法律の問題」と「収益にならないから」かなと思いました。法律の話で言えば、日本とアメリカを比べたってそもそも日本にはフェアユースの概念がないから同列に語るのは難しいです。それに、参加者が未成年やアマチュア主体の発表会や大会を、観覧者が自由に撮影や配信ができるようにするには、各方面に向けてしっかりとした整備が必要です。機材の進歩よりずっと時間がかかります(この辺勉強中なんで何ともうまく言えませんが)。

でも、個人的には「正式に許諾を得ていたら撮影や配信ができる」ようにはなってほしい(誰もが、ではなく責任を背負えるような団体や企業が)と願っています。

それと、そもそもアマチュア主体のジャンルで動画制作のコストを回収できるような収益モデルの構築は簡単じゃないから、事業化できている企業がごく少数に留まっているという事実もあります。企業は儲からない事業には簡単に手を出しません。Flo Marchingみたいなメディアが増えたらいいだろうけど、あれはそもそもFlo SportsというNASCARとかも配信するような巨大スポーツメディアの一部門だし……(市場規模も企業規模も違いすぎるんだよね)どこかが独占してるから、ではなく、結局どこもできなくて生き残ってるだけなんだと思います。

以上、思ったことでした。

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