オタクの自分語り 『冬』

私は冬が嫌いになった。

それまでは特に好きな季節も無いかわりに、別に嫌いな季節もなかった。    

でも、今は冬が嫌いなんだ。


2021年の年明け、寒さも厳しさを増す頃、
"私の中の季節"もまた冬を迎えた。

そして私は冬が嫌いになった。

"私の冬"の始まりは多分、部活で手を痛めて練習を見学するようになったことだった。
すぐに治ると思っていたのに、治っても今度は別の場所が痛くなってまた部活を休む。

周りの人にサボってると思われるのが怖かった。
他の人がキツい練習をしているところをただ見ていることに罪悪感を感じてしまった。
「こんなところに座って何してるんだろう」って座り込んでいた。

そうして私は心を壊してしまったんだと思う。

それから暫く、部活だけでなく学校も、勉強も、朝起きるのも寝るのも、何もかもが嫌になった。

毎晩、ずっとずっと泣いていた。

早く寝ないと明日の朝起きられない。
でも寝たらまたすぐに明日が来てしまう。

夜だけでなく、学校で突然泣き出してしまうこともあった。トイレでひとり声を押し殺して泣いた。
結局その日はその後授業を受けずに帰ってきた。

想像していた、きらきらした高校生活のイメージなんて
実際にはどこを探しても無かった。
つまんない。つらい。

私がTravis Japanに出会ってなければ、
まともに生きていられなかったかもしれないな。


暦の上での季節は恐ろしいほど速く移る。

春が過ぎて、夏が来る。
"私の中の季節"はまだ冬だった。

でも、少しだけ私の中で吹き荒れる風は弱くなった。

学年が一つ上がっても、学校はおもしろくない。
気を許した友達とも違うクラスになってしまった。

でも部活には後輩が入ってきたことで、
なんとか辞めずに続けていた。

後輩もトラジャ担だったんだ。
部活でその子とトラジャの話をするのが楽しみになった。

長い冬も、もうすぐ終わるかもしれない。


そんなことを思っているうちにまた、
暦の上の季節は冬がやってきた。

冷え性の私は、やっぱり冬には弱いみたいで、
気温が下がってきた瞬間、手首を痛めた。

また部活を休んだ。

治ったと思って練習に合流したら、
今度は腰が痛くなった。

練習している人たちを見ながら、
また体育館のはしっこで泣いていた。

自分で自分のことをサボってると思ってしまって、自分のことを責めて、そして自分に責められながらもどうしても動く気になれずに座っている自分に対してやっぱりサボってるじゃんと思っていた。

部活をしたくないから、その口実に痛みを生み出してるのかなって思った。

私は自分のことを許せなかった。
それが苦しかった。

私の冬は、終わりなんかはしなかった。


今月もまた、14日がやってきた。
のえまるの定期更新日であり、今月は松倉くんの誕生日でもあったね。

寝る前、起きたら月曜日が来てしまうと鬱々とした気持ちでのえまるを開いた。

そして、いつもとはちょっと違う文体に驚きながらも読み進めた。


そののえまるは「救い」そのものだった。

冬に絶望していた私は救われたんだ。

そして、この冬と正面から向き合ってみようと思わせる、あたたかい力をくれた。

如恵留くんの言葉は、
私が冬を乗り越えるためのカイロになった。

もう迷って不安になるのはやめるんだ。


それからも、落ち込むことは多い。

そんな簡単には冬は終わらないよね。

でも、暗い方へ悪い方へと。
どんどん負の方向へ沈んでいくことは減った。

成長につながる落ち込み方の気がする。
まあ分かんないけど笑


多分私の冬はそんなすぐには終わらない。

だから、如恵留くんがくれた言葉を
ときどきカイロみたいに取り出してあたたまるんだ。

私はもう迷わないよ。
迷いそうになったらまた、ポケットからカイロを取り出せばいい。

冬を乗り越える自信ができた。

私の中を吹き荒れる風に、梅の匂いが混ざり始めた気がする。

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