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『謀略のパンツァー』とは何だったのか

昔の漫画

昔のエッチな少年漫画には、オープンスケベな主人公が大勢いました。

『ハレンチ学園』の主人公は、学校でスカートまくりを流行らせたりするワルガキですが、そのキャラで女子に受け入れられています。

週刊少年ジャンプ 1969年14号

『ジンジン』は、女子の風呂場の湯船の中に潜水服で潜んでいるなど、痴漢行為ばかり働く主人公でした。

週刊少年チャンピオン 1981年46号

『ライバル』の平助も、名前の由来が助平を逆さにしただけというキャラで、おおっぴらにセクハラしていきます。

月刊少年ジャンプ 1989年12月号初出

もちろん、昔の漫画にも受け身な主人公はいますし、全員が肉食系というわけでもないのですが……。
少年漫画の主人公が堂々と「のぞき」や「スカートめくり」をして許されているのが、昔は今よりも多かったです。

 

「エッチな少年漫画」のこと

SM雑誌『奇譚クラブ』の1970年6月号に、次のような文章が載っています。

最近少年マンガのハレンチ化が話題を呼んでおり、特にヤリダマにあがっているのが、永井豪氏の『ハレンチ学園』である。
(中略)
美少女が両手吊りにされたり、鞭打たれる場面はよく出てくるし、荒縄でくくられた手首のアップなども、なかなかのものである。
(中略)
このような永井氏の作品が、爆発的な人気を呼んでいるということは、少年の世界にSが受け入れられているということであろうか。
(中略)
少年誌に表れた倒錯の萌芽のゆくえは興味深い。暗い印象に包まれた日陰の花だったSやMに、明朗なスポーツ的感覚が生まれてくれればいいのだが……。

と、1970年には、『ハレンチ学園』を筆頭に少年マンガのハレンチ化が起きているという認識でした。
(当時のSMマニアの視点も興味深いところですが、それはさて置き)

『読売新聞』の1971年4月6日にも、次の投書が掲載されています。

子ども向けの漫画といえば『巨人の星』みたいなスポ根・劇画が中心だったハズが、最近はやたらと女の子のはだかが増えたという、当時の少年の嘆きです。
ぼくら子どもは女性の裸を見ても何も感じないと、主語デカで断言されております)

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