『BASTARD!!』の単行本加筆やアニオリの話
前置き
今日は、萩原一至先生の漫画『BASTARD!!』の話をさせてください。
昭和に始まった漫画なのですが、令和になってNetflixでアニメ化されております。
なので、「アニメ化された部分の連載当時の話」や「アニメのオリジナル要素の話」などについて書かせてください。
いちおう、最初に『BASTARD!!』自体の基本的な説明も入れてみたのですが……。
原作を読んだことがないと、あまりピンとこない内容になっているかも知れなくて、申し訳ありません。
『BASTARD!!』略史
アシスタント
『BASTARD!!』の作者・萩原一至先生は、まつもと泉先生のアシスタントをしていました。
『きまぐれオレンジ☆ロード』の背景に、萩原一至っぽいモブがいたりします。
週刊連載
そして、『週刊少年ジャンプ』の1987年47号に、萩原一至先生の読切『WIZARD!!』が掲載されます。
それが好評で、1988年から連載化。
いまだに終わっていない『BASTARD!!』の始まりでした。
しかし、『ジャンプ』誌上では、後方打ち切り漫画ヅラをしており……。
いつ終わっても不思議はなさそうな位置でしたが、1年以上続きました。
しかし、週刊で描くには作画カロリーの高すぎる作品ということもあって、色々と限界っぽいところも出てきて……。
単行本では ↑ のようになっているシーンも、『ジャンプ』掲載時はこんな感じでした。
この数週後には、「作者急病につき、連載を終了させていただきます」という形で、唐突に連載が終わってしまいます。
補足
この「しばらくの間、療養を必要としますので、先生と相談のうえ……」は、少し後に『ボクはしたたか君』でもありました。
ただ、『ボクはしたたか君』が「連載休載のお知らせ」だったのに対して、『BASTARD!!』は、いきなり「連載終了のお知らせ」でした。
(その辺、やっぱり元々打ち切り候補だったというか、もしも「作者急病」がなかったら、全10巻くらいの漫画になっていたのかも……などと妄想されます)
季刊連載
とにかく、『週刊少年ジャンプ』での連載は、1989年8月8日に載った「地獄の鎮魂歌編」の第3話を最後に終了して……。
10月26日発売の『ジャンプ』の増刊号で「復活!!!」が告知されます。
「十分な休養をとり、執筆体勢を整えることができました」
ということで、1989年12月26日発売の増刊に「地獄の鎮魂歌編」の第4話が掲載。
以降、年4回の増刊号で連載という形式になりました。
(これは結果的に、週刊連載よりも合っていたのかも知れません)
最終章
そうして、1989年12月~1991年12月まで連載して、「地獄の鎮魂歌編」は終了。
翌年3月から「罪と罰編」が始まります。
この1992年3月27日発売号で「最終章へ突入!!」と言っていたのですが、30年経った今でも終わっておりません。
「物語もいよいよ大づめ」
「6年に渡る壮大な叙事詩のこれが最終章!!」
などなど、この時点では「罪と罰編」で終わる予定だったらしいです。
読者としては、暗黒の破壊神がラスボスだと思っていたのですが、
1992年12月あたりで、敵が天使に変わりました。
それから、すさまじい勢いで風呂敷が広がっていきます。
そして、急展開に置いていかれた主人公が1996年になってもまだアンスラサクスと戦っているつもりというギャグが入ったりもしました。
補足:季刊連載時の単行本変更
有名な「愛の絶頂~~!!!」のページは、雑誌掲載時はこんな感じでした。
単行本では、この白い帯が単行本では消えるのですが、同じ18巻で、版によって加筆修正があります。
月イチ連載
そうして、増刊で1996年まで連載した後は、再び『週刊少年ジャンプ』に移籍。
1997年~1999年に、本誌で「月イチ掲載」されました。
この背景としては、1995年~1996年に『レベルE』によって月イチ連載の前例が作られていて……。
ドラゴンボール終了などで部数が激減した『ジャンプ』が、何かを期待して『BASTARD!!』を呼び戻したのでしょうか?
しかし、その本誌連載(約20話)では、最初に登場したコンロンという敵との戦いが、2年ほどずっと終わりませんでした。
1997年の第4話で「VS魔神 決着か…!?」。
1999年の第19話で「対悪魔前哨戦…決着へ…!!」。
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