『凌ぎの哲』の思い出
『ワシズ』
先日、人気漫画『アカギ』のスピンオフとして、『ワシズ』という漫画の連載が始まりました。
主人公は、鷲巣という75歳の老人。
原作では、「若者がこの偉大な俺より長生きするなど……許せない……!」という崇高な信念のもと、若者を殺すのが趣味というキャラでした。
(「若者」と書いて「クズ」と読みます)
今回のスピンオフは、そんな鷲巣がまだ58歳という若かりし頃の物語。
執筆するのは、原作者の福本先生ではなく、原恵一郎先生になります。
原先生
原恵一郎先生といえば、以前、『凌ぎの哲』というイカした漫画を描いていたことで知られています。
『凌ぎの哲』は、『麻雀放浪記』という有名な小説を、再構成して漫画化したもの。
……その「再構成」というのが、かなり尖ったシロモノでした。
たとえば、達磨というキャラは、原作小説では「達磨のように肥って褞袍を羽織ったおっさん」とありました。
しかし、原先生の『凌ぎの哲』では、肩に達磨のイレズミを入れた筋肉ムキムキのマッチョマンになります。
達磨は、この筋肉を生かして、敵のイカサマを封じるために麻雀卓を叩き割ったり、他人の手のひらに点棒をブッ刺したりと大暴れしました。
愉快な仲間たち
同様に、原作小説では「生ッ白い若者」「伸ばしかけた髪にべっとりポマードをつけたシャレ者」と描写されていたキャラも、『凌ぎの哲』ではパンチパーマのマッチョマンになります。
それから、原作小説では「五分刈頭」だったキャラは、『凌ぎの哲』ではロン毛を垂らして顔の左半分を隠している設定に変更。
その左半分はツギハギだらけで、左目は潰れて、動物の眼球を移植しているという、原作の面影がないサイコキャラでした。
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