見出し画像

『蓬莱学園の革命!』の発売延期の歴史

蓬莱学園のブルマ!

1990年代に、『蓬萊学園』というコンテンツがありました。

『ドラゴンマガジン』1990年4月号の広告

インターネットの普及以前は、ある種の郵便を使ったゲームが「ネットゲーム」と呼ばれていました。
『蓬莱学園』はその「ネットゲーム」から始まって、TRPG化されたり、スーファミのゲームが出たりと展開しました。

その「宇津帆島にある何でもありの巨大学園都市」の世界観は、のちに『魔法先生ネギま!』の麻帆良学園の設定にも影響を与えます。

なお、関連イラストの多くを担当した中村博文先生のツイートによると、令和になった現在では、蓬莱学園でもブルマは廃止されているらしいです。

 

蓬莱学園のラノベ!

『蓬莱学園』関連では、富士見ファンタジア文庫から出ていた小説版も好きです。

表紙などのイラストは中村博文先生が担当

1991年に『蓬莱学園の初恋!』。
1992年に『蓬莱学園の犯罪!』(上下巻)。
1993年に『蓬莱学園の魔獣!』(上下巻)。

それぞれ違った趣向で書かれていますが、どれも面白くて、90年代前半のラノベを代表する作品のひとつだと思います。
(当時、ラノベという言葉はなかったですけど)

小説版は1991年から毎年出ていて、1994年には『蓬莱学園の革命!』という新刊が告知されました。

『ドラゴンマガジン』1994年9月号(7月末発売)

以下、それから『蓬莱学園の革命!』が実際に発売されるまでの話を書いてみます。

 

蓬莱学園の1994年!

先ほどの告知では、『蓬莱学園の革命!』は1994年8月に出版予定となっていました。

しかし、8月30日に発売された『ドラゴンマガジン』10月号を見てみると……。

『ドラゴンマガジン』1994年10月号(8月末発売)

「8月予定だったのが残念ながら9月に延期されてしまった。ああっ、表紙が間に合わない! イラストは前々作の『~犯罪!』のものです。すまん」

と、出版予定が9月に延期されました。

そして、9月30日に発売された『ドラゴンマガジン』を見てみると……。

『ドラゴンマガジン』1994年11月号(9月末発売)

「先月号では、イラストが間に合わなかった、この『蓬莱学園の革命! 1』だけど、今回はどうやら間に合ったようで、めでたしめでたし……と、言いたい所だが、ゴメン、また発売が伸びてしまった
「まぁ、とりあえずもう少し、もう少しだけ待っててくれ」

てな感じで、表紙イラストは掲載されたものの、出版予定からは消えてしまいました。

「もうちっとだけ続くんじゃ」(1988年44号)

ここから先は

3,536字 / 15画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?