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「ちゆ12歳」の2002年未発表ボツ原稿『魔法少女とりぷるゲボ子ちゃん』を公開してみます

麻雀ライターの福地さんのnoteで、私のことについて触れてくださいました。

毎月月末になると、

 今月も十分に更新できなかったので、できたら避けたかったのですが、過去の原稿の再録で埋め合わせさせていただきます。申し訳ございません。

という挨拶とともに、過去の原稿がいっぱい掲載される。それがお約束になっている。

再録といっても、見たこともない雑誌に大昔に掲載されたものだから、すべて初見。どれも面白い。

ふだんの更新が1本あたりむちゃくちゃ長いこともあるし、値段も月500円で月10~15本更新と割安すぎるし、すげー丁重な人柄もあって、全然責めようという気にはならない。

とのことで、言及していただいて、本当にありがとうございます。
(非常に好意的に書いてもらっていて、大変恐れ入ります)
私は福地さんのファンだったりするので、たまに触れていただいたり、「スキ」を付けてもらったりすると、とても嬉しいです。

と、福地さんのご反応が目に入ると、つい意識を向けてしまいがちなのですけど、これ、あまり意識しちゃうと良くないかも? と思っていたりします。

よくある「ブログの書き方」なんてのに出てくる、「一人の読者を想像して書いてみましょう」みたいなやつを、そこまで実践しているわけではないのですけど……。
なんというか、福地さんを「この定期購読マガジンの読者の一般像」みたいに想定しちゃうとマズイだろうみたいな。

たぶん、いまだに「ちゆ12歳」にお付き合いくださっているような方には、2001年ごろのテキストサイト時代からの方が多いハズで。
もちろん、それ以外の方も大事にさせていただきたく思っているのですけど……

って、自分で何を書いているのかよく分からなくなってきました。

結局、何が言いたいのかと申しますと。
私は、2001年から「ちゆ12歳」というテキストサイトを運営していたのですが、それをやっている中で、未完成のままお蔵入りになった文章もございます。

今日は、そんなボツ原稿を晒すというテーマでやらせていただきます。
それが、「ちゆ12歳」とかいうテキストサイトをご存知ない方には、あまり興味のわかない内容になると思うので、本当に申し訳ございません。

と、gdgdな前置き予防線張りでしたが、今回はそんな感じの内容なので、よろしくお願いたします。


「ちゆ日記」について

「ちゆ12歳」というテキストサイトのメインコンテンツは、「ちゆニュース」でした。
内容的には、最近 note に書いているのと、同じような感じです。

「介良事件について『UFOの正体は灰皿』という説が出てきました」
「星海社の小説が、ようやく電子書籍化されました」
「プロ麻雀連盟の森山会長がアトミック質問状を送りました」

みたいな、そういうニュースを紹介する方向性です。

昔は毎日更新できたのですが、いまは文章がむちゃくちゃ長くなる病気にかかっていたりして、大変申し訳ございません。

で、その「ちゆニュース」とは別に、「ちゆ日記」というコンテンツがありました。

これは、ちゆという女子小学生の日常寄りのテキストみたいなコンセプトで、たとえば、2001年2月1日の記事を転載してみると……。


■平成13年2月1日 カルトな児玉くん

21世紀になって、あっというまに1ヶ月たちました。
恐怖の大王さんも降りてこないし、北朝鮮もなかなか崩壊しませんが、今日も今日とて学校です。

今日はお昼休みに、児玉くんに声をかけられました。
児玉くんは親が宗教をやっていて、よく分からないことを信じています。いわゆる「カルトの子」ですね。

「ちゆちゃんは、人生の目的ってなんだと思う? いくらお金を稼いでも名声を得ても、死ぬときには雑巾一枚持っていけないんだよ。だから人間はね、死が来ても壊れない幸福の身にならないといけないんだ。ちゆちゃんもこのままだと、死ねば無間地獄に堕ちるんだよ。だから、ぼくといっしょに、先生の講演会を聞きに行かないかい?

やんわりとお断わりすると、児玉くんはこう言いました。

「マンモスかなぴーっ」

児玉くんは宗教ばかり一生懸命なので世間の流行についていけず、今さらノリピーファンなのです。合掌。


以上、転載でした。

こういう文章、いまは書けなくなってしまったかもです……。
(書こうと思えば書けるかもですけど、ちょっと分かりません)

ちなみに、自分では、さすが私が書いた文章は面白いなあという感想になるのですけど、傍目にはどうでしょうねコレ。

結局、この「ちゆ日記」、あまり書かなくて自然消滅しました。
「ちゆニュース」との違いが分かりづらいという問題もありました)


「ちゆ日記」の登場人物

2001年11月の「ちゆ日記」では、ちゆが学校のみんなとバス遠足でディズニーランドに行く話を更新しました。

ちゆ以外の登場人物は、次のように紹介されています。

■児玉くん:教祖様にマインド・コントロールされたご両親の愛を一身に受け、敬虔な信者に育った男の子。芸能界の知識はのりピー止まり。

■ひのまる子ちゃん:日の丸をこよなく敬愛する愛国心の強さから、みんなにまるちゃんと親しまれている女の子。おかっぱ頭に赤いスカートの庶民的スタイルがチャームポイントです。

■ハカセ:超小型スーパーコンピュータを携帯、どんな情報でも瞬時に調べてくれます。トレードマークは眼鏡と白衣。口癖は「~でヤンス」

これが、ちゆの小学校のお友だちなのですね。
ちなみに、のりピーが好きな新興宗教の幹部の児玉さんという人物は実在して、それをモデルにさせていただいております。


未公開原稿

さて、2002年ごろ、私は、久しぶりに「ちゆ日記」を更新しようと考えていました。
それは、「ちゆと3人の友だちで、リレー小説をする」という内容でした。

以前のnoteで、太宰治先生の『ろまん燈籠』が好きだと書いたことがあるのですが、この企画も『ろまん燈籠』リスペクトでした。

それが、結局、未完成になってしまったのですが……。
ある程度は書けていたので、18年の時を経て、この場で公開させていただきたく存じます。

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