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舞台化される予定の『悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる』について

この記事は「8月分の更新」の予定だったのですが、9月19日の更新になってしまいました。本当に申し訳ございません。
以下の文章は、『悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる』のネタバレを含みます。

導入

『悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる』は、「小説家になろう」で2018年から連載している作品です。

枠組みとしては、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』とかのジャンルです。

しかし、単なる量産型ではなく、主人公の周囲にいるイケメンたち(攻略対象たち)が全員病んでいくという世界観を特徴にした感じになります。

補足:『ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです』

「悪役令嬢転生モノ」で「ヤンデレ」が絡むもの自体は、そこまで珍しいものでもないと思います。
むしろ、原点に近いのかも知れません。

というのも、なろうで「悪役令嬢転生モノ」が増え始めたのは2013年ごろからなのですが、その初期に基本フォーマットを作った作品のひとつがヤンデレ系だったのでした。

これが2013年6月にスタートしたもの。
舞台に「ヤンデレ系乙女ゲー」を採用したのは、「ゲーム進行によっては死亡ルートがあるから、回避するために努力しなければならない」というシチュエーションにするためだったと思われます。

[要検証]
2013年6月当時、「悪役令嬢に生まれる=死の危険」というお約束は確立しておらず、「乙女ゲーなのに死ぬルートがある」という設定を通すために、転生先をヤンデレゲーにしたのでは……という解釈です。
(この黎明期の作品では、「悪役令嬢に転生してしまった!」よりも「ヤンデレゲーの世界に転生してしまった!」が問題にされてます)

この後、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』などによって、「悪役令嬢に転生=死亡ルートの危険がある」という概念が当たり前になっていきました。たぶん。

ともあれ、この『ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです』の時点で、「悪役令嬢転生モノ」の基本フォーマットは完成されていました。
「本来のゲームのストーリーが始まる前の幼少期に、悪役令嬢が攻略対象たちの問題を解決してガチ惚れされて逆ハー状態になる」など、基本セット的なものが、この作品ですでにできているように思います)

そういった意味で、ヤンデレ系は「悪役令嬢転生モノ」の成立から関わりがある……みたいな感覚でした。

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