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『薔薇族』バックナンバーの電子化が進行中

※この記事は10月22日深夜に更新しました。マガジンとしては「9月分の記事」のところ、更新が遅れてしまっており、大変申し訳ございません。


 

未整理の案件

「ガチムチ」について

「ガチムチ」という言葉については、

「1998年~2002年頃、『G-men』誌上で『SG(スーパーがっちり)』という造語が提唱され、ゲイシーンを席巻しましたが、その後『ガチムチ』に取って代わられた

ゲイのための総合情報サイト「g-lad xx」のゲイ用語の基礎知識

……という流れがあるそうです。

実際、1998年ごろから「スーパーガッチリ」が流行しており、

『薔薇族』1998年7月号

その後の2chの同性愛サロンとかでも、太めガッチリ系の呼称で「SG」「ガチムチ」はよく見ました。

(一般の板で「ガチムチ」をよく見るようになるのは2005年以降)

 

「ガチムチ」という言葉の発生について

『薔薇族』のバックナンバーだと、「ガッチリムッチリ」という言い方は、1995年には見られました。

『薔薇族』1996年1月号

元々、体型の形容に「ガッチリ」は頻出ワードで……。

『薔薇族』1993年1月号

90年代半ばから、「ガッチリポッチャリ」略して「ガチポチャ」も見られます。

『薔薇族』1995年12月号、1996年1月号、1996年8月号、1997年8月号

そして、「ガッチリやムッチリ」「ムッチリガッチリ」など、「ガッチリ」と「ムッチリ」をセットにした言い方も増えてきて……。

『薔薇族』1998年7月号、1998年11月号、1999年8月号x2

と、90年代末には「ガチムチ」が登場していました。

この辺、『薔薇族』だけ見ていると、「ガチムチ」という言葉そのものは、自然発生的なものだったような印象があるのですが、そういう解釈で良いものか……。
それ以外の資料が色々と確認不足なので、もう少し調べから改めて記事にしたいと思います。ごめんなさい。

 

「百合」について

「百合」という言葉は、『薔薇族』が発祥と思われます。

『薔薇族』の文通欄では、男性の投稿以外に「百合族コーナー」として女性の投稿も載せていました。

こういう感じ(『薔薇族』1981年4月号)

※その5年くらい前から「百合族の部屋」というコーナーがあったのですが、70年代には「百合族=『薔薇族』を応援する女性読者」みたいな意味で使わることも多かったりしました。

『薔薇族』で生まれた「百合」という言葉は、それ以外でも使われるようになり……。

『花とゆめ』1991年12号(久美子&真吾シリーズ)

オタク系だと、90年代には「色々ある言い方のひとつ」という感じでしたが、00年代に「男×男はBL、女×女は百合」みたく収まりました。

※発祥的には「百合族=レズビアン」なので、「百合はレズとは違う」みたいな主張は、オタク用語としての定義的な話になるのかと存じます。

 

言いたかったこと

と、「ガチムチ」や「百合」について、やや雑なことを書いてしまいましたが……。
『薔薇族』は、そういう色々なことに関する歴史的・文化的な史料としても重要な雑誌なのです。

 

デジタル化

そんな『薔薇族』の電子化が進んでいます。

初代編集長のツイート(URL

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