100年前の新聞とか(小ネタ)
白蓮事件について
いまから100年前、1921年10月に「白蓮事件」がありました。
当時は石炭の時代で、九州で成り上がった炭鉱王に、伊藤伝右衛門という人物がいました。
1911年、50歳の伊藤伝右衛門は、25歳のアキ子と結婚。
アキ子は伯爵の娘(当時は皇太子だった大正天皇の従妹)で、「家柄が欲しい成金」と「大金が欲しい華族」の利害による結婚でした。
なんだか女性向け異世界転生モノの導入の設定みたいですが、日本でも少し前は伯爵なんてのが存在したのですよね。
そして、10年が過ぎた1921年(大正10年)。
35歳のアキ子は、28歳の男と不倫して妊娠します。
当時だと姦通罪で投獄されるところですが、彼女は男と駆け落ちした上で、伊藤伝右衛門への絶縁状を新聞紙上で公開。
「愛のない夫婦生活を拒絶して、女性の自由と尊厳を守るために戦う」
みたいな感じで、大正デモクラシーの流れに乗って、世論を味方に付けようとしました。
……と、だいたいそんな感じの事件で、100年前のネットが盛り上がったのでした。
結局、伝右衛門側が譲った形で、離婚が成立。
伝右衛門は「末代まで一言の弁明も無用」と身内に言い聞かせて、アキ子を訴えたりすることはありませんでした。
近年では、NHKの連続テレビ小説『花子とアン』に、この2人をモデルにした嘉納伝助・葉山蓮子という登場人物がいました。
そいで、アキ子が男と駆け落ちしたのが1921年10月20日。
その100年周年の記念ツイートをしたいという、なんかよく分からん気持ちがあったのでした。
ちなみに、1921年11月4日には総理大臣が暗殺されたのですが、今度の11月4日に「ちょうど100年前のいまごろ、原敬が殺されましたね!」という記念ツイートをしたい気持ちは、あんまりないです。
なんで私が白蓮事件だけ特別視したがるのかは、自分でもよく分かりません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?