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『コロコロ』『ボンボン』『ケロケロA』『最強ジャンプ』の推移

この記事は5月分の更新なのに、6/21に「追記」の形で更新しました。あまりにも遅くなってしまって、本当に申し訳ございません。
以下は、2010年4月の『二次元ドリームマガジン』に書いた文章の再掲載に、その後の話を補足した感じです。

はじまりのコロコロ

1977年、小学館の『コロコロ』が創刊しました。

創刊号の表紙では、『コロコロコミック』という誌名よりも『ドラえもん』の文字の方が大きかったです。

創刊号 & 創刊2号の表紙

さらに、値段(320円)よりも大きく書かれている「200」「150」という数字は、掲載されている『ドラえもん』のページ数。

……という感じで、当初は『ドラえもん』の総集編が中心の本でした。

 

コロコロ創刊

初代編集長のインタビューでは、創刊前の状況について、次のように語られています。

「少年マンガ誌全部と月刊マンガ誌全部を買ってきて、自宅の居間にズラッと並べてみたんです。
そうしたら子供たちが読めるマンガ誌が1冊もないんです。
(中略)
もちろん『少年サンデー』や『少年マガジン』はありましたが、学園闘争のあおりを受けて完全に高校生~大学生の雑誌になっていたんです。
「サンデー、マガジン片手に革命をやる!」という時代でありましたから、対象年齢が上がっていたんですね。
(中略)
児童マンガが隅に追いやられている中で、何とか「その火を消さないために本を作りたい」と申し上げたら、藤本先生もすごく感激して下さって。
(中略)
子供向けのマンガ誌ができるということにすごくロマンを持って下さったんだと思います。『ドラえもん』がなかったらコロコロコミックも生まれていないんですから

『relax』2003年4月号

と、子供向けマンガが軽視されていた時代に、完全に小学生向けのマンガ誌を作ってやろうとした……みたいな話でした。

※いちおう、『コロコロ』創刊の5~6ヶ月前の『マガジン』『ジャンプ』がこんな感じ。

『週刊少年マガジン』1977年1号 & 『週刊少年ジャンプ』1976年48・49合併号

※「右手にジャーナル、左手にマガジン」と言われたのは60年代。『コロコロ』が創刊した1977年ごろは、読者年齢が上がった『マガジン』から若い読者が離れて、『ジャンプ』『チャンピオン』が躍進した時期でした。

 

コロコロの漫画

そして、1979年から『ゲームセンターあらし』が始まって、『ドラえもん』と2枚看板になります。

あらしとドラえもん(1981年11月号)

『ゲームセンターあらし』によって、コロコロ熱血漫画の基本形(小学生の遊びをド派手な真剣勝負にしちゃうやつ)が確立。
『釣りバカ大将』『ダッシュ!四駆郎』『ドッジ弾平』……と受け継がれていきます。

それから、ホビー系以外でも、『超人キンタマン』『おぼっちゃまくん』『学級王ヤマザキ』『でんぢゃらすじーさん』…… といった作品がヒット。

『コロコロ』はマンガとホビー情報の「子供向け総合情報誌」となって、男子小学生の世界のすべて(ゲームとオモチャとドッジボール)をリードしていくのでした。

 

ボンボン

そんな『コロコロ』の成功を受けて、1981年に講談社が創刊した後追い雑誌が『ボンボン』でした。

こちらは、『コロコロ』よりも先にガンプラブームに乗って、『プラモ狂四郎』をヒットさせることに成功。創刊1年で50万部に成長しました。

『コロコロ』の後追い雑誌には『100てんコミック』や『少年ポピー』もありましたが、それらが短期で終わった中で成功したのが『ボンボン』でした。

以降、『コロコロ』と『ボンボン』は、男子小学生界のシェアをめぐって抗争を繰り広げます。

  • 『コロコロ』のビックリマンシールに対する、『ボンボン』のレスラー軍団シール

  • 『コロコロ』のベイブレードに対する、『ボンボン』のすげゴマ

  • 『コロコロ』のミニ四駆に対する、『ボンボン』のバクシード

……と、『コロコロ』の圧倒的な戦力に比べて、『ボンボン』のものは大体マイナーで、買ったところでいっしょに遊べる友達がいませんでした。

 

90年代の『ボンボン』vs『コロコロ』

しかし、『ボンボン』の元編集長のインタビュー(『サイゾー』2008年11月号)では、SDガンダムの最盛期である1991年から3年間は『ボンボン』の部数が『コロコロ』よりも多かったと語られています。

確かに、毎日新聞社の「学校読書調査」を見ても、

(調査時期は毎年6月)

小4~小6の男の子の「ふだん読んでいる雑誌」で、1993~1994年あたりは『コロコロ』と『ボンボン』の差がほとんどなかったです。
(高学年男子の「ふだん読んでいる率」が、『コロコロ』も『ボンボン』も20~30%くらい)

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