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ちゆの没ネタ集(2021年秋)

この記事が「10月の9回目の更新」ということにさせてください。
また、月末の体力の前借りで月初めは力尽きてしまって、更新が遅くなってしまいました。
大変申し訳ございません。

 

本人登場?

10月に、ツイッターで『幽遊白書』の豆ちしきをツイートしました。

※『幽遊白書』アニメ版の次回予告で毎週言っていた、「伊達にあの世は見てねぇぜ!」という台詞について。
「原作にない台詞」だということはそこそこ知られていますが、「元は一般公募のキャッチフレーズ」だということが、ネットであまり知られていないようでしたので、ツイートしてみようと思いました。

※いちおう、ネットでもポツポツと言及はありました(こことかこれとかこれとか)

それで、これについて、フレーズを考えて応募した「本人です」という方が現れました。

もちろん、インターネットの自己申告なので、本当にご本人なのかを確認するのは難しいのですが……。

(過去に匿名の偉業を自分の手柄にしようとした人物は存在しました)

ただ、今回のケースについては、とりあえず現状、疑わしく見えるところはなさそうに感じます。

住所・名前・だいたいの年齢などの情報は一致。
底辺ライターの売名ならともかく、家族でやっている銀座のアパレルショップの公式アカウントでそんな嘘をつくのもハイリスク・ローリターンです。

まあ、「間違いなく本人」とも言えないのですが、個人的には、たぶん本人なんだろうなー……くらいの印象を持っております。
(煮え切らない書き方になってしまって申し訳ありません。ネットの自己申告は、ちょっと扱いに困ります)

 

賞品の行方とかメモ

『幽遊白書』の連載当時に「ダテにあの世は見ちゃいねえ!!」というフレーズを考えた17歳の女性は、現在46歳くらい。
ご本人だとしたら、いまでも元気に家族と暮らしていて、仕事も順調ということで、なんとなく良かったです。

なお、キャッチフレーズグランプリの景品は「マウンテンバイク」だったのですが……。

ご本人(?)のツイートによると、このマウンテンバイクはベランダに放置してダメにしてしまったらしいです。

なお、『ジャンプ』のキャッチフレーズグランプリは、1984年~1997年の14年間で11回開催。
その後、2004年・2005年・2011年にも行われました。

ただ、90年代の『幽遊白書』のときは応募総数21万通という一大企画でしたが、2011年のときは2万5000通。
発行部数も半分以下になっているのですが、応募数は1割ちょい。

減ったというよりは、昔の盛り上がりが異常だったのかも知れません。

 

幽遊白書の背景の植物に思う

あと、幽白豆知識で、ジャンプ掲載時のチンコに単行本で修正が入った件もツイートしました。

冨樫作品のあちこちに、性器を想像させるようなデザイン(ギーガーみたいなやつ)が出てくることは知られています。
(「朱雀の椅子」「暗黒武術会の会場」「蔵馬が鴉を攻撃した植物」「身重の石」などが有名)

先日ツイートしたやつ(仙水編終盤の魔界の植物)は、こんな感じで……。

『週刊少年ジャンプ』1994年7号(『幽遊白書』152話の背景)

この植物が、単行本ではこんな風になりました。

同じ背景、単行本

これを描いたころ、冨樫先生はそうとう辛かったらしいです。
『幽白』の連載終了後には、次のように振り返っておられました。

「仙水と幽助が闘ってた辺り。原稿に向かうと、ハキ気がする位漫画を描きたくなくなった」

同人誌『ヨシりんでポン!』の記述(太田出版『消えたマンガ家』より孫引き)

この時期に『幽白』のアシスタントをしていた人によると、次のような感じだったそうです。

「暗黒武術会の会場」などの背景は、デザインは冨樫先生で、漫画本編の執筆時にはアシスタントが描いていたと思われます。
しかし、この時期になると、背景を冨樫先生が描き殴った箇所もあったとのことです。

153話とか、扉ページが単に塗りつぶしただけだったりで、ヤバそうです。

『週刊少年ジャンプ』1994年8号

(なお、このポエムは担当編集者が入れたアオリらしく、単行本ではさらにシンプルになっていました)

『電影少女』みたいですね

という感じで、扉ページをベタで済ませるほどの限界仕事場なのですが、そんな第153話においても、背景にはこんなのが描かれていました。

『週刊少年ジャンプ』1994年8号(幽遊白書 153話)

当時の冨樫先生は、原稿に向かうと吐き気がするくらい描きたくなくて、時間短縮のために扉ページも真っ黒。
そうして荒れた絵を描き殴りながらも、別に描かなくてもいい背景の性器みたいな植物は描き込んでいたという感じです。

ちょっと冨樫先生の精神状態が心配になるところです。
(基本的には「こういうのを描くのが好きなだけ」だと思いますけど)

ともあれ、こんなのが600万部時代の『ジャンプ』の人気漫画の背景だったというのが、現在ではほとんど忘れられているようなので、掘り起こし的なツイートをしようと思ったのでした。

これ、普通に読むとほとんど気が付かないらしいですね。
単行本の修正も効果的だったみたいです。

ネットでは、「朱雀の椅子」や「身重の石」といった「すでにネットで有名なネタ」についての言及が繰り返されている印象です。

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