見出し画像

マイナー宗教漫画誌『コミックキズナ』

この記事は7月17日に更新しました。マガジンとしては「6月分の記事」のところ、更新が遅れてしまっており、大変申し訳ございません。

今回は、「浄土真宗親鸞会」の子供向けの月刊漫画誌『コミックキズナ』について紹介します。


「浄土真宗親鸞会」のこと

「浄土真宗親鸞会」という宗教団体があります。

その機関紙の『顕正新聞』では、会長の高森顕徹さんが「真宗の危機は人類の危機だ」「同志の皆さん、立つときが来た」と語っておられました。

『顕正新聞』1976年1月20日(※顕正会の『顕正新聞』とは無関係の別物)

曰く、

「今年も親鸞会の行くところ、常に嵐を呼び怒涛逆巻くことだろう。もとよりそれは覚悟の上だ」

「我々は天が破れ地は壊れ、山川崩るるとも、真実を知り、真実を求め、真実を獲得し、真実を開導してゆく」

「私と共に、この大使命を果さんと決する者は、如来聖人しょうにんの馬前に討死するまで前進することを心新たに誓おうではないか。合掌」

……という感じで、昔の「親鸞会」は破邪顕正(布教活動)が激しめの団体でした。

 

軍隊っぽさ

会長の高森顕徹さんは、1929年生まれ。
終戦時に16歳くらいという世代のせいか、親鸞会には、少し戦前のノリが入っています。

たとえば、『親鸞会同志の歌』は『同期の桜』の替え歌で……。

浄土真宗親鸞会の『正信聖典』

親鸞会の会員さんは、「俺も散りたや のりのため♪」と軍歌のメロディで歌って、破邪顕正を誓っていました。

その会員さんたちの役職も、「主婦上隊の中隊長」とかで……。

「現場の指導はやはり中隊長が中心であり、中隊長の姿勢が、顕正成果に大きく影響していた」
主婦だから、という甘えは許されない

『顕正新聞』1982年10月15日

 

破邪顕正

そして、実際の会員さんの活動の例を挙げると……。

「まず、仏法を求めやすいようにと仕事をめ、朝は顕正、夜は聴聞」
『人間死んだらどうなると思いますか』と公園を散歩する人に語りかけたり、市街を一軒一軒回って顕正している」

『顕正新聞』1981年3月15日

と、まあ70代なら好きなことをして過ごせたら良いとは思いますが……。
公園で「人間死んだらどうなると思いますか」と話しかけてくる老夫婦というのは、なかなか厳しい存在です。

ここから先は

4,676字 / 31画像

¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?