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北方謙三先生の『試みの地平線』、文庫版「伝説復活編」の不満点など

この記事は5月分の更新ですが、6月18日に「追記」の形で更新しました。

『試みの地平線』について

北方謙三先生の本業は、小説家です。
肉体を中心とした新しいハードボイルドを開拓しました。

『ジャンプノベル』Vol.6(1994年)

そんな北方謙三先生による、ハードボイルドな人生相談として有名なのが『試みの地平線』です。

『ホットドッグ・プレス』1986年1月10日号

「俺は二歩、いや三歩、君たちよりさきを歩いている。そしてその分だけ、男には決して行き着くことのない地平線が必要なのだ、ということも知っている」

という感じで、北方謙三先生(開始時38歳)が、若者たちの相談に応えるというコーナーでした。

具体的には、初回からこんな感じで……。

『ホットドッグ・プレス』1986年1月10日号

Q「俺には何が欠けてると思いますか?」
A「頭の中身が欠けている

Q「東京の女をどう思うか?」
A「裸に剥いてしまえばみんな同じよ。いいのもいれば、悪いのもいる」

Q「ふつうの人とちがう労働時間なので、女の子と出会えない」
A「午前中に時間があいているなら人妻よ

といった問答が大好評を博して、連載h16年ほど続きました。

 

掲載誌は『ホットドッグ・プレス』でした(月2回刊のナンパ雑誌)

 

「ソープに行け」の回数問題

「ソープに行け」とは

さて、北方謙三先生の人生相談といえば「ソープに行け」です。

連載6回目から、すでにこんな問答があって……。

Q「生きていくのが嫌になった」
A「女を作るんだ」「勇気を出して一度、ナンパしてみろよ」

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