18年前、ネットランナーでNGが出たリカちゃん人形の悪口
普通に時事ネタメモ
10月21日、タカラトミーのツイッター公式アカウントが、次のようなツイートをしました。
「小学5年生の女の子の個人情報を暴露しちゃいますね…!」
「身長:142cm」「体重:34kg」
「電話番号:03-3604-2000」
紹介されたのはリカちゃん人形の公式プロフィールで、電話番号は「リカちゃん電話」というオチでした。
※リカちゃん電話……1960年代から存在するテレホンサービス。かけるとリカちゃんのお喋り音声が流れるのを聞くことができます。
たぶん、タカラトミーの中の人は面白い冗談だと思ったのでしょう。
ジョークのセンスとしては、「○○小学校で小女子を焼き殺しておいしくいただく」などど書き込んで逮捕された人に近い気がします。
※コオナゴ(小女子)の字面が女子小学生っぽいことから、面白い冗談のつもりで書いたと思われます。
小学校への威力業務妨害で懲役1年半になりました。(執行猶予あり)
本人は軽い気持ちで何も考えていなかったと思いますが、裁判では「言い逃れできるように言葉を選び、計画的で狡猾」「卑劣な犯行」というあつかいでした。
まあ、タカラトミーのツイートは、威力業務妨害ではないのですけど、
「キャラクター紹介のやり方が小児性犯罪を模してる」
「子ども向けの商品の紹介が性犯罪のノリ」
「普通に気持ち悪いおじさん」
といった批判を受けて、自爆業務妨害となりました。
やっぱり、冗談のつもりでも、「小学5年生の女の子の個人情報を暴露しちゃいますね…!」と、子供向けの人形を性的な対象として見るような話を公式のフィールドで行えば、炎上やむなしという気はします。
ネットランナーの思い出
ちゆは18年前、『ネットランナー』という雑誌に、リカちゃん人形に関するコラムを書いたことがあります。
『ネットランナー』は、私も2回ほど表紙をやらせていただいたのですが、
「逮捕されるゾ!」ということで、
「スパイウェアで他人がPCでやっていることを全部のぞこう」
「パスワードをクラックする方法」
「WinMXで欲しいファイルをダウンロード」
みたいな記事がたくさん載っていました。
この雑誌の編集さんは、「悪用厳禁」って書いておけば何を言ってもいいと思っていたフシがあります。
しかし、そこで私がリカちゃん人形の話を書こうとしたら、NGが出ました。
と、これについては、当時のサイトに書いた記事の通りで、それ以上の話も出てこないのですけど……。
編集さんからいただいたメールは、次の通りでした。
単純にタカラからのクレームを意識しての修正です。
リカちゃんそのもののイメージを損ねる表現がされている箇所を嫌ったというのが、修正理由です。
男性経験が豊富
貞淑そうなツラをして抜け目ない女
キティちゃんを殺して剥いだ
内面のドロドロした部分
の4箇所の表現が気になりました。
ちゆの文章が原因なのですけど、『ネットランナー』、けっこうタカラを警戒していましたね。
余談:『ときメモ』裁判の思い出
「キャラのイメージを損ねる問題」については、なんとなく、1999年のときメモ裁判を思い出します。
※ときメモ裁判
藤崎詩織のエロアニメを勝手に作った人が、コナミに訴えられた事件。
コナミの担当者は「藤崎詩織は娘も同然ですから、娘を暴行されたような気分です」などと会見しました。
著作権判例データベースなどで資料を見ると、判決文に「きらめき高校」とか「伝説の樹の下で愛の告白」とか出てくるのが楽しいです。
お互いの言い分も面白くて……。
原告の主張「藤崎の図柄における清純なイメージを損なうものであり、(中略)、同一性保持権を侵害する」
被告の主張「藤崎詩織のイメージは、優等生的ではあるが、清純さはないし、(中略)、清純なイメージはない」
……という謎の争いの結果、
「藤崎詩織の優等生的で、清純な、さわやかな印象を与える性格付けが、本件ゲームソフト及び関連商品の売上げ及び人気の向上に大きく寄与していると解するのが相当である」
とのことで、裁判で「藤崎詩織 清純説」が認められました。
(根拠は売り上げ)
「完全版」掲載
そんなこんなで、せっかくだから、編集チェックが入る前の未修正の原稿を掲載してみようと思います。
リカちゃんのイメージを損ねるような表現を含みますので、ご注意ください。
また、これといって有益な情報のあるコラムではありません。
『ネットランナー』の連載3回目にして早くもネタ切………じゃなくて、色々と模索していた時期だった気がいたします。
以下は、2002年2月の『ネットランナー』に書いた文章となります。
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