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5号で休刊した『コミックバウンド』の思い出

更新間隔があいてしまって、大変申し訳ございません。
過去の雑誌記事の再掲載になってしまって恐れ入るのですが、以下は、2008年10月の『ネットランナー』に書いた文章です。

土田世紀先生の『吉祥寺モホ面』のネタバレが含まれています。

バカに目覚める

2004年、エニックスが『ヤングガンガン』という青年誌を創刊。
多くのヒット作を生み出して、成功しています。

しかし、実は『ヤングガンガン』を始める何年か前にも、エニックスが青年漫画誌を作って失敗したことがありました。

その名は『コミックバウンド』。

コンセプトは「バカに目覚めるオトコのコミック」です。
2000年に創刊されて、5号で休刊しました。

漫☆画太郎『虐殺!ハートフルカンパニー』

それでは、『コミックバウンド』を振り返ってみます。

まず、創刊号の表紙などでイチオシされている目玉連載は、漫☆画太郎先生とピエール瀧さんのコラボ『虐殺!ハートフルカンパニー』
これをキラーコンテンツと考えた時点でバカに目覚めています。

ちなみに、4話目の扉がコレで、

5話目の扉がコレ。

あとは説明しなくても想像できる内容だと思います。

土田世紀『吉祥寺モホ面』

さらに、『コミックバウンド』で2番目に推されていた漫画は、土田世紀先生の『吉祥寺モホ面』です。

物語は、主人公が口臭を苦に飛び降り自殺を図るところからスタート。
クサイってひでえよ! どんなに頑張っても全否定なんだぞ こんなマヌケな人生もう嫌だ!! ……もう疲れちゃったんだよ…」

しかし、自殺を止めようとした男にワキの臭いを嗅がされて、
「す… すごいワキガ!!

こうして、口臭とワキガが同居生活を始めるところまでが第1話でした。

この漫画は面白くなりそうだったのですが、休刊で打ち切り。
最後は、「この物語は、実はおすぎが見ていた映画だった」というオチになって……。

と、おすぎのドアップで終わりました。(ご愛読ありがとうございました)

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