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昭和の性風俗誌『奇譚クラブ』のこと

以下は、2009年12月の『二次元ドリームマガジン』Vol.50に書いた文章の再掲載です。
(※この回の内容の一部については、過去に投稿した動画などで言及したことがあって、ここだけの内容ではない箇所があります。申し訳ありません)

60年前のエロ小説

現代の変態文芸誌『二次元ドリームマガジン』は、2001年から2023年まで続いています。
一方、1947年に創刊して1975年まで存続した変態文芸誌が、『奇譚クラブ』でした。

 

『硝子便所』

たとえば、1953年の『奇譚クラブ』に載った、『硝子便所』という小説を読んでみると……。

便器よ
 あなたは
 御婦人の秘密を知っていらっしゃる──」

「ドア、あなたは、なんていじわるなんだろう。
 あなたのかげで、その御婦人は何をしているの?
 ドア、私はあなたを殺したい

『奇譚クラブ』1953年2月号

という感じで、スカタロジイな憧憬がつづられた名文でした。

 

『魔教圏 No.8』

『二次元ドリームマガジン』の読者様には、『奇譚クラブ』に載った小説では、『魔教圏 No.8』をオススメしたいです。

たとえば、『魔教圏 No.8』では、お嬢様に3日間水を与えないで、「水を下さい! お願いです。水を飲ませて下さい!」という状態にします。
そして、下郎が履いたあとの靴下を水に濡らして、「その靴下を洗濯するんだ。ただしお前の口の中で」と命令。

「それは絞りたてのミルクよりも、一流料理店のスープよりも素晴らしい味を胃の腑へ浸み通らせた。
美加子は我を忘れて汚布を噛みしめると、ちゆうちゆうとジュースを啜るように靴下の垢水を吸った

そうして、セレブなお嬢様が汚い靴下を喜んでしゃぶるといった責め方が、いま見ても高度だと思います。

『奇譚クラブ』1958年9月号

それから、お嬢様が「一定時間ごとに床に電流が流れる装置」にかけられて、体力の限界まで意味もなくジャンプさせられるという場面。

双房をふるるんと犬の乳房のように揺すり、流麗な脚線をバネ仕掛の人形のように腰深く折り、弾みをつけて伸ばしていた。
育ちのよい彼女にとって、この季節にこんな汗を出し、還視の中でこんな恥態を採ったことは出生以来始めてに違いない」

というシーンの挿し絵が、装置の図解でした。

『奇譚クラブ』1958年9月号

当時の読者は、この挿し絵を見て想像を膨らませたのでしょうか。

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