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ふたなりの歴史とか
・この記事は「4月分」の更新だったのを5月17日に「追記」の形で更新したものです。いくらなんでも遅すぎて、本当に申し訳ございませんでした。
・2010年2月の『二次元ドリームマガジン』Vol.51に書いた記事の再掲載です。
「ふたなり」という言葉の歴史
100年前の本
1920年に出版された『一般性慾学』という本に、次のような記述があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1684315216983-DdYTbTct5T.png)
俗に「ふたなり」と称するものであって、
(中略)
多くは特に陰核が異常に発達して陰茎の状を呈するとか、
(中略)
多く其の外陰部を利用して同性間性欲に陥り易い
と、100年前の本に「クリがペニス化した女性は百合ックスにハマリやすい」みたいなことが書かれておりました。
『卜養狂歌集拾遺』
また、1680年(江戸初期)の『卜養狂歌集拾遺』には、
![](https://assets.st-note.com/img/1684320131263-7VWyNaRAqC.png)
「女かと 見れば男の 万之介 ふたなり平の これも面影」
という狂歌が載っています。
歌舞伎役者の万之助サマは美しい……という歌なのですが、
美しい男といえば在原業平
中性的な美しさだから「ふたなり」と掛けて「ふたなり平」
などというネタが1680年の時点で通じたことが分かります。
『和漢三才図会』
日本初の百科事典『和漢三才図会』(1713年)にも、「半男女」という項目があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1684320345523-hEbtHLtin0.png)
ここに「俗に云う“二形”」という記述もあります。
(室町時代から二形船という軍艦もあるように、「二形」で「ふたなり」と読みます)
『病草紙』
「二形」の表記は古く、平安末期の絵巻物『病草紙』にも「男女の根ともにありけり、これ二形のものなり」とあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1684321042367-67EBU1j7Nr.png)
宮武外骨先生の『半男女考』(1911年)では、これが「ふたなりの記事」のある最古の文書だということです。
そんな感じで、「ふたなり」という言葉には800年以上の歴史があるのでした。
※『半男女考』は、今から100年前の日本人が手に入る「ふたなり」情報を可能な限り集めた奇書で、国会図書館に利用者登録すればネットで無料で読める(URL)ので、個人的にはオススメです。
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