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「妹ブーム」研究・その6(『トゥルー・ラブストーリー』)

この記事の続きです。

エロゲーではなく一般向けのギャルゲーの話になるのですが、1996年には『トゥルー・ラブストーリー』というゲームが非常に重要なので、少し触れておきたいです。


超おおざっぱな時代背景

古来、コンピュータゲームの目的といえば、インベーダーを倒すとか、ドットを食い尽くすとかでした。

勇者が助けたお姫さまと恋に落ちて宿屋で愛を確かめ合うこともありますが、恋愛自体が目的のゲームはごく少数でした。
しかし、1992年発売の『同級生』によって、ゲームで恋愛を楽しむことの価値が大きく見直されます。

そして、攻略した女の子とのエッチすらなく、純粋に恋愛を成就させることを目的に据えたゲーム『ときめきメモリアル』が大ヒットして、「恋愛ゲーム」に巨大な需要があることが判明しました。

折しも、ゲーム機の主流がスーファミからプレステに移って、画像やボイスを多用するギャルゲーが作りやすくなっていた90年代後半。
家庭用ゲームの世界で、ギャルゲーブームが巻き起こったのでした。

※『プリンセスメーカー』『卒業』『銀河お嬢様伝説ユナ』などの「恋愛がメインではないギャルゲー」が主流の時代から、恋愛ゲームがメインの時代に移った感じです。



トゥルーラバーの声

そのブーム真っ盛り、1996年12月に初代プレステで発売されたのが『トゥルー・ラブストーリー』でした。

当時のファンの感想を見ると……。

絵柄は10数年前のマンガみたいで古臭いし、『同級生』の後追いゲームって感じだったから、最初は興味なかったんだけど、(中略)やり始めたら、はまった、はまった。絵柄なんて開始後30分で気にならなくなった。
(『空想美少女読本』)

『ときめきメモリアル』以降、雨後のたけのこのように出てくるギャルゲーのラインナップを冷たい目で見るのとおなじ視線で見ておりました。
おまけにポスターに描かれている桂木綾音もなんか地味なかんじだし(中略)それが一回プレイが終わったらコロッですよ。(中略)ポスターもお部屋に貼っちゃおうかな、なんて思っている。
(『ギャルゲー♥声優快体新書』)

これが『同級生』や『ときメモ』の二番煎じに終わらなかった理由のひとつは、「女の子といっしょに歩く感覚」にこだわった下校会話システムでした。

やよい

校門で会った女友達を下校に誘い、相手の好きそうな話題を選び、思いきって手を握って、ドン引きされて逃げられる……といった妄想の学園生活を体験できるのが楽しかったです。

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