「マンガ」のカタカナ表記と、「ロリコン」が流行語になった時期
今日の話題
最近、タイムラインに、こういったツイートが流れてきました。
この「マンガ」の件と「ロリコン」の件について、思うところを書かせてください。
「マンガ」のカタカナ表記
まずは、こちらの話題について。
「まんが」「マンガ」「漫画」といった表記のこと。
現在では、なんとなく使い分けられている感じで……。
「まんが」「マンガ」「漫画」の、どれも普通に使われますが、「カタカナ表記が定着するのは70年代後半くらい?」みたいな問いかけが、今回のツイートでした。
新聞の場合
正直、そっち方面は私も疎くて、詳しいことは分からないのですが……。
たとえば、1952年の新聞でも「マンガ」という表記は見られます。
昔は、アニメも漫画と呼ばれたので、『蒸気船ウィリー』などのディズニー映画も「ディズニー漫画」。「トーキー・アニメーション」ではなく「トーキー漫画」と書かれています。
(※この当時、『鉄腕アトム』の連載は始まっていますが、日本ではテレビ放送の開始もまだで、『アトム』のアニメ化は10年ほど先)
と、そんくらいの時期の新聞でも、見出しは「マンガ」で本文は「漫画」だったりしたようです。
ほかにも、
こんな感じで、「マンガ」のカタカナ表記は使われていました。
戦前・戦後のもの
「いつ頃から」というのは、ちゃんと調べないと迂闊に言えなさそうで、申し訳ないのですが……。
ちょっと国会図書館のサイトを見ても、さかのぼると戦前の話になるように思います。
戦後だと、1948年から『月刊子供マンガ』や『こどもマンガクラブ』という雑誌も出ております。
とはいえ、元のツイートは、もっとあとの時代を想定した話題っぽいので、そこまでさかのぼると別の話になってしまうかも知れません。
『COM』と『ガロ』
元のツイートで名前が挙がっている『COM』(1967年1月号で創刊)では、書かれている通り、基本的に「まんが」表記でした。
一方、同時期の『ガロ』だと、あまり表記は気にしていない様子。
と、雑誌名は「漫画」ですが、誌面で「マンガ」表記も使ったりします。
革命で漫談社や幼学館を滅ぼす作品でも、
タイトルは『マンガ革命』で、作中も「マンガ」表記で統一でした。
『ジャンプ』と『チャンピオン』
1968年創刊の『少年ジャンプ』では、基本的に「漫画」表記ですが、「力作まんが」「マンガジャーナル」といった表記も混在していました。
全部盛りで並んでいるのは、あまり気にしていないのか、意図的なのか不明ですが、とにかく表記統一のこだわりはなさそうです。
『少年チャンピオン』でも、「まんが」「マンガ」が普通に混在していました。
(特に意識せずに、なんとなく使い分けて両方あるのでしょうか?)
この頃は『まんが道』もカタカナ表記でした。
一方、『マガジン』『サンデー』『キング』などは、基本的に「まんが」表記でした。
(こういった雑誌で、1960年代に「まんが」表記が多くて「マンガ」表記が少なかったのは確かだと思います)
『少年マガジン』では、1973年43号まで「まんが」中心で、1973年44号から「漫画」中心に切り替え。
1976年に連載した『その他くん』では「マンガ」表記にするなど、切り替え後は統一へのこだわりも無さそうです。
また、『少年サンデー』は「まんが」表記中心だった期間が長く、90年代まで引っ張っているような感じでした。
と、出版社や雑誌のルールはあったり、表記にこだわった人もいるのですが、「マンガ」のカタカナ表記そのものは、60~70年代に「新しいもの」だったわけでもないように思います。
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