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『BEASTARS』の思い出

前置き

前回の記事で、2016年ごろからの『週刊少年チャンピオン』について、色々と書きました。

その中で、当時の『チャンピオン』について、次のように書いておりまして……。

「特に注目されたのは『BEASTARS』でした。(かくいう私も、2017年4月の『二次元ドリームマガジン』で『いまの『刃牙』よりずっと面白い』などと紹介していました)」

こう触れた手前、その『二次元ドリームマガジン』の文章も、ここに再掲載しておくべきかなと思いました。

ただ、そのコラム、いまとなってはあまり読む価値のない記事になってしまっております。
というのも、主な内容が、当時はハッキリしていなかった、『BEASTARS』の作者の素性の話だったのですよね……。

 

板垣恵介の娘

『BEASTARS』の作者は、板垣巴留ぱる先生。

彼女が『グラップラー刃牙バキ』の板垣恵介先生の実娘であることは、『週刊少年チャンピオン』2019年42号の「親娘対談」で明らかにされております。

週刊少年チャンピオン 2019年42号

しかし、この2人の関係は、2016年に『BEASTARS』の連載が始まってから、2019年まで公表されていませんでした。

最初から「板垣恵介の娘」という触れ込みでデビューすれば、スタートダッシュで話題性はあったと思います。しかし、そうすると「コネ連載」のように受け取られたり、色眼鏡で見られたりもしたでしょう。

『BEASTARS』は「親の七光り」ではなく本当にスゴい漫画だったので、その評価が固まるまで父親について触れないというのは、良い判断だったのかな、と個人的には思います。

そうして、それまで語られなかった家族の話が、2019年から解禁されていたりするのでした。

■2018年のインタビュー:「毎月『ちゃお』を買ってました」

週チャン 2018年11号

■2019年の対談:「『刃牙』と『ちゃお』を読んで育ってきたんです」

週チャン 2019年42号

 

今となっては昔の話

ただ、そうして公表される前から、たぶんそうだろうとは思われていました。
それは、単に「板垣」だからというだけでなく、出版物やネットで公開されている情報で、それっぽい根拠がいくつかあったからです。

てことで、2017年4月発売の『二次元ドリームマガジン』では、

「昨年、チャンピオンで『BEASTARS』っていう面白い漫画が始まったんだけど、作者が板垣恵介先生の娘っぽいんですよー」

みたいなコラムを書いたのでした。

しかし、その後、2018年に『BEASTARS』は「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭賞」「マンガ大賞」「講談社漫画賞」などで賞をもらって、2019年にアニメ化。
アニメの放送前には板垣恵介先生との関係も公表されました。

なので、私が2017年のコラムで書いた

  • 『BEASTARS』という漫画の存在

  • 作者が板垣恵介先生の娘であること

という内容は、もはや世間一般に広く知られているところ。
現在では何の新規性もない情報となっております。

 

今回の主旨

そんなこんなで、いまさらな内容になるのですが、『入間くん』と『六道』の話をした機会にということで……。
以下は、2017年4月の『二次元ドリームマガジン』Vol.94に書いたコラムの再掲載です。

いちおう、

「2人の板垣先生の関係が正式に公表される以前に、わりと早い段階から、2人が親娘らしいことはこんな根拠で推測されていた

みたいな、当時はこんなだった的な資料として、多少は意味があればいいな……と思います。

※いつもは「再掲載」と言っても、雑誌掲載時に字数制限で端折ったことなどを大量に加筆修正していることが多いのですが、今回、その辺は極力原文ママという感じにしておきます。

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