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泡沫児童誌『100てんコミック』のギネスバトル漫画『だんとつチャンプ』

コロコロの頃

小学館の『コロコロコミック』は、1977年に創刊しました。

初代編集長曰く、「マンガ雑誌と言えばB5サイズが主流で(中略)厚みを求めるとコスト計算が合わない。そこでA5サイズの判型に小さくして、余った部分をそのままページ数に回す(中略)と考えたんです」。

relax 2003年4月号

そうして、コロコロッとした感じの、ぶ厚い子供向け雑誌が誕生。

最初は「ドラえもんマガジン」的な季刊誌でしたが、1979年には月刊化して、現在と同じようなコンセプトの雑誌になっていました。

藤子系以外に、『ゲームセンターあらし』のようなホビー漫画、『超人キンタマン』などのギャグ漫画が人気になりました。

その成功を見て、ほかの出版社も真似をします。

  • 少年画報社の『少年ポピー』(1980年~1981年。A5)

  • 双葉社の『100てんコミック』(1980年~1983年。A5)

  • 講談社の『コミックボンボン』(1981年~2007年。A5→B5)

  • 徳間書店の『わんぱっくコミック』(1985年~1989年。B5→A5)

  • 世界文化社の『ニコニココミック』(1986年~1987年。B5)

あと、学研の『どっかんV』『少年チャレンジ』も同時期だったりで、話せば長くなるのですが……。

まあ、『ボンボン』以外はほとんど知られていないと思います。
(こうして並べると、『ボンボン』が超メジャー枠になります)

 

※昨年夏から『わんぱっくコミック』の連載作品を電子化していく企画があって、そっち系は読みやすくなりました。

 

100てんコミック

そんな感じで、1980年代に『コロコロ』の後追いで始まった雑誌のひとつが、『100てんコミック』でした。

こんな感じ(大きさは『コロコロ』と同じ)

たぶん、当時子供だった世代にとってもマイナーな雑誌だと思いますが、連載陣は、一応それなりにスゴかったです。

 

連載陣

『チョメちゃん』

たとえば、『100てんコミック』には、石森章太郎先生による児童向けエロ漫画『アニマル学園チョメちゃん』が連載。

「100てんランドコミックス」レーベルの単行本は全体的に希少で、『チョメちゃん』の単行本もプレミアが付いています。(まんだらけの買取が5000円くらい)
しかし、いまは「石ノ森章太郎デジタル大全」のおかげで、Kindleで440円で気軽に読めるようになりました。

「チョメ~ッ」

 

『ルパン8世』

それから、『ルパン8世』という「放送されなかったアニメ」の漫画版という、無駄にややこしい存在も連載していました。

『ルパン8世』というアニメは、日本の会社とフランスの会社の共同制作で途中まで作られたのですが、諸般の事情で放送に至りませんでした。
一応、制作された映像の一部は『ルパン三世 Master File』という円盤に収録されています。

 

『コロコロポロン』

また、吾妻ひでお先生の『おちゃめがみ物語ものがたりコロコロポロン』も、『100てんコミック』に連載。

元は、1977年~1979年に秋田書店の『プリンセス』で連載していた『オリンポスのポロン』という漫画でした。
それが1982年にアニメ化。その放送に合わせて『100てんコミック』で連載再開……みたいな感じです。

『月刊OUT』の1982年6月号では、「マイナーの帝王であった、あの吾妻先生の作品がアニメ化されるとは…、一体、日本はどうなるのだろう」と紹介されていました。

 

(2大ヒロイン)

そんなこんなで、『100てんコミック』誌上では、

1982年6月号の予告(5月号に掲載)

石森章太郎先生のチョメちゃん吾妻ひでお先生のポロンが「2大ヒロイン」と扱われていたりします。

……もしかしたら、ヒロインりょくでは『コロコロ』に勝っていたかもしれません。

 

『釣りガキ大統領』

それから、『100てんコミック』は『コロコロ』の二番煎じの雑誌なので、『コロコロ』の二番煎じみたいな漫画がたくさん載っていました。

  • 1980年から『コロコロコミック』で『釣りバカ大将』が連載開始

  • 1981年から『100てんコミック』で『釣りガキ大統領』が連載開始

……などは、完全に開き直っている感じでした。

釣りガキ大統領は、目がイッてるのが怖いです。

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