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ゴ○○リレースを経て、ボールで殺し合う野球漫画『速球屋』

12/22~12/30まで毎日更新中。
本日ご紹介する漫画には、虫が描かれている箇所があります。(登場するのはゴ○○リだけです)。苦手な方はお気をつけください。

(以下は、特に伏せ字やモザイクにもせず、70年代の『週刊少年サンデー』に掲載されていたままのものをご紹介いたします)

 

堂々新連載

メリーゴキリマス!(挨拶)

1971年の『週刊少年サンデー』に、『速球屋』という漫画がありました。

週刊少年サンデー 1971年30号

あれこれ説明するより、この扉絵を見てくださいという感じでしょうか。
「いならぶ名ゴキブリを、ごぼうぬき! たのしい、ゴキレース」とのこと。

れっきとした『週刊少年サンデー』の連載です。

 

余談

『シベリアの牙』や『夜明けのタテガミ』のときにも思ったのですが、1970年代の漫画になると、『ジャンプ』や『サンデー』だろうと、ネットに全然情報がないものが結構多いのですね。

この『速球屋』についても、少し検索した感じ、ネットにはほとんど情報がないようでした。
(見た目はこんなに負のインパクトがある漫画なのに……)

ただ、Webマガジン『トリアイナ』のインタビュー記事で少しだけ触れられていました。
それによると、『キン肉マン』の嶋田先生(ゆでたまごの腰痛の方)「漫画家を目指そうとしたきっかけ」が『速球屋』だったそうです。

ある時、漫画雑誌に新人漫画賞募集っていうのが載ってて、入選作品が掲載されてたんです。
高山よしさとさんの『速球屋』という野球漫画でした。
しばらくして、その漫画が新連載として発表されたんです。
「あっ! 漫画家になるには、頑張って新人募集みたいなのに応募すればいいのか!」って思いましたね。

※その「新連載として発表された」ものが、先ほどのコレになります。

(『速球屋』は「読者の作った新連載」という、ちと特殊な企画で連載化したのが、嶋田先生の目に止まったのかなと思います)

 

球一登場

さて、今後の人生で1971年のサンデーを読む予定もないと思うので、ここからはネタバレ多めで紹介させていただきます。

主人公は、球一という少年。
「まるで公害にとりかこまれたような町」の長屋に住んでいます。

長屋には水道も引かれてなくて、「足立野部落」と呼ばれているところ。
母親は病気で、球一が生活費を稼いでいます。

「ガッチリやろうぜ 金もうけ」
「かあちゃん おれにまかしてね」
袋はり きょう何枚はったやら

と、まだ中学1年生なのに、毎日お金を稼ぐことばかり考えている球一でした。(行政なんとかして…)

いちおう「ワルガキ」という設定なのですが、いい子すぎませんか?
あと少しお金をためてかあちゃんを入院させるというのが、球一の現在の目標です。

 

ゴキブリレース

さて、この地域の子どもたちのあいだでは、ゴキブリレースが流行していました。

子どもたちは、このレースに金を賭けています。

70年代の世界観、いま見るとエグいですね。

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