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『comicGAGA』が11号で休刊

2022年3月に創刊して、2023年6月に11号で休刊した少年誌『コミックガガ』の話をします。

前置き

紙版が発売されていない、電子版だけの雑誌というのも増えました。

古くからあるものだと、大人の少女まんが誌『モバフラ』とか……。

※2007年にケータイ用サイト内で創刊

最近だと、百合&ラブコメの『コミックシャイニー』が創刊。

※2023年2月創刊

「百合&(男女の)ラブコメ」という意図だったようですが、「百合専門誌じゃないのかよ」みたいな批判を浴びていました。

それから、オメガバース専門誌の『b-boy オメガバース』とか、サイコホラー専門誌の『COMICヤミツキ』とか……。

※『b-boy オメガバース』は2022年7月号で休刊

こういう「女性向けエロ」や「Web小説コミカライズ中心」の電子コミック誌は多い気がします。

ヤングアニマル系列のエロ電子雑誌『ハレム』とか、ヤングチャンピオン系列の『どこでもヤングチャンピオン』とか……。

※『どこでもYC』では『片田舎のおっさん、剣聖になる』が人気

こういう青年向けだと、電子でも表紙はグラビアだったりします。

挙げていくとキリがないのですが、こういった「電子だけの雑誌」も色々と出ています。

 

『GAGA』登場

創刊

そして、「東京漫画社」が2022年2月に創刊した電子コミック誌が『GAGA』でした。

創刊号

コンビニとかで売られる雑誌ではなくて、Kindleなどの電子書籍ストアだけのデジタル誌です。

「少年、少女、大人、子ども、みんなを夢中にして熱狂させる少年漫画雑誌『comicGAGA』新創刊」

……という触れ込みで、いちおう少年誌のつもりらしいです。

 

東京漫画社

その「東京漫画社」のホームページは、こんな感じ。

基本的には、BLに特化した出版事業をしているところです。

『Cab』『Fig』『NUUDE』といったBL雑誌を出しています。

「同級生に恋したら、牛になってミルクが出ちゃった?!?!」

『GAGA』とは、この「東京漫画社」が少年コミックに参入する_

 

『GAGA』について

謳い文句としては、

少年、少女、大人、子ども、みんなを夢中にして熱狂させる少年漫画雑誌」
「大人も子供も夢中に熱狂させる! オールジャンルのWEB漫画雑誌」

という感じ。

ただ、実際に読んだ印象としては、少年向けとも少女向けとも子ども向けとも言いにくい感じでした。
明らかにメジャー系ではないのに、ニッチ狙いでもなくて……。

公式の発言によると、

「明日の元気を創る!」
「次世代コミック!」

という、フワッとした抽象的な編集方針で作った雑誌っぽいです。

 

『GAGA』の連載陣

創刊ラインナップ

いちおう、創刊号の目次はこんな感じでした。

傾向としては、「ネットや同人で創作活動をしていて、ある程度フォロワーもついているけど、商業では初連載」みたいな作家さんが多かったように思います。

 

『私の女神が今日も推せる』

そんな連載陣の中で一番話題になったのは、百合オムニバス漫画『私の女神が今日も推せる』でした。

(作者はコミティアとかで創作百合を出していた方で、商業初連載

内容は、たとえばこんな感じで……。

『GAGA』Vol.4

百合漫画としてレベルが高かったので、百合好きの間で評判になりました。
この作品を世に出したことが『GAGA』の最大の成果だと言えるかも知れません。

創刊号では掲載順が最下位でしたが、2号目以降は看板連載の扱いになっていました。

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