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「ぜんぜんわからない。私は雰囲気でファイブスター物語を読んでいる」

今日は、購読者様からのご質問にお答えします。

質問ですが、ファイブスター物語は読んでおられるでしょうか。もし読んでおられて気が向いたら感想・解説をお願いします。特にダグラス・カイエンについてできれば。

……あう、非常に難しいお題が来てしまいました。

正直なところ、「感想」はまだしも、「解説」は無理です。

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だいたいこんな感じです。

正直、これでこの話は終わりなのですが……。
以下、思うことを書いてみますけど、全部蛇足ですね。


『ファイブスター物語』概要

『ファイブスター物語』はメジャーな作品ですが、よく知らない方も多いと思うので、簡単にご説明します。

基本的には、『ニュータイプ』というアニメ雑誌で長期連載している漫画です。
休載が多いのですが、スタートは1986年で、現在も連載中。いちおう、今年で連載34年目ということになります。

ひょうし

作者は、永野護先生
1984年のテレビアニメ『重戦機エルガイム』のメカデザインなどで知られる、デザイン界の大先生です。
『ファイブスター物語』でも、「モーターヘッド」と呼ばれるロボット兵器のデザインが、大きな魅力になっています。

そして、『ファイブスター物語』のもうひとつの魅力は、壮大なストーリーです。

第1巻の冒頭の「プロローグ」は、星団暦3960年に、主人公が4つの太陽系を統一して、星団全体の皇帝になるところからスタート。

物語はこのエピソードを最後とし、本編は彼らが光り輝いていた時代を追っていきたい…

ということで、第1話は、星団暦2988年のエピソードが始まります。

そして、この時点で、作品世界の「年表」が公開されていました。
雑誌や単行本に、星団暦7777年までの年表が掲載されており、2020年に誕生した主人公が、どのような運命をたどるのかという歴史が分かります。

それによると、主人公は、3239年に行方不明になったヒロインと、7777年に再会して結婚。

翌年、娘カレン生まれる。超人類の誕生。また、人類の進化は始まっていく。

というところで、年表は終わっています。

(この7777年というのが、星団の時間だと56億7000万年後? らしいのですが)
とにかく、この漫画は、何千年(?)にも及ぶ歴史の大筋を知った上で、読み進める形になります。

ストーリーをバラされた漫画を読んで面白いのか、疑問に思われるかも知れませんけど……。
適切な例えになるか分かりませんが、これはある意味で、大河ドラマを見るのに近い感覚があるかも知れません。

明智光秀が本能寺の変を起こすことを知った上でも、彼がどのような人間関係の中、どう思って、その結末に向かっていくのか、毎週の物語は楽しめるような感じです。年表とドラマは別、みたいな。

とにかく、そういう独特の形式で開陳されていく、神話レベルの壮大なストーリーで、デザインセンスは極上。
34年待って、単行本15巻というペースで、描き始めたとき20代だった作者も還暦を迎えた……。

そんなドすごい漫画が、『ファイブスター物語』なのです。


余談

「ストーリーの大筋を最初に明かす漫画」としては、最近では、『週刊少年マガジン』に連載中の『なれの果ての僕ら』があります。

第1話の冒頭で、52時間で12人が死んだ経緯を、新聞発表レベルで紹介した後、その内実のドラマを見ていく……という構成です。

なれ

この漫画については、いまのところ、大筋を先出しした意味は不明という感じです。

連載では、いま1人の頭部が砕け散ったところで、「これから仲間割れで2人死んで、みきおも死ぬのかー」という気持ちで読んでいるのですけど……。
ここまでは、展開先出しがあってもなくても、そう変わらない印象です。

単に「概要からの想像を大きく超えるような展開にしていくぞ」という心意気なのか、概要にミスリードがあるなど、物語終盤の大仕掛けの伏線として機能するのか……。
(打ち切りで台無しになる可能性も含めて)ちょっと楽しみにしています。

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