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プレステの百合ゲー『あやかし忍伝くの一番』

9月23日~9月30日まで毎日更新中(一度遅刻しました)
以下の文章は、PSのゲーム『あやかし忍伝くの一番』のエンディングなどのネタバレを含みます。

今年の『百合姫』表紙

今年の『コミック百合姫』の表紙は、こんな感じでした。

表紙で小説を連載するというコンセプトで、毎号こんな雰囲気だったところ……。

9月号でいきなり黒くなって、ビックリしました。

その後はこんな感じで……。

この11月号を受けて、12月号がメッチャ良い感じの表紙になってフィナーレだと思います。
『コミック百合姫』の表紙は、毎年凝っていて好きです。

(まあ、素直に連載中の人気漫画でローテして、何かヒットしたら「テレビアニメ化決定!」みたいな表紙にする方が良いのかも知れませんが……)

「百合」について

さて、「百合コミック専門誌」とか「百合メインのテレビアニメ」とか、百合モノが商業的需要の見込めるメジャージャンルになったのは、わりと最近でした。

(00年代の初めごろに『マリア様が見てる』が流行って、2003年に「業界初の百合専門誌」が登場。2006年の『ストロベリー・パニック』などから、百合アニメも珍しくなくなっていきます)

ただ、それ以前にも、『セーラームーン』や『カードキャプターさくら』などで百合モノの同人誌は多かったです。

たとえば、こちらの本は1999年1月発行の『別冊宝島』ですが……。

その中の「用語辞典」でも、「百合」という言葉の紹介はあります。

また、こちらは1995年発行のラノベなのですが……。

この「あとがき」でも、作者が「私の小説の百合同人誌を描いてほしい」みたいなことを書いています。

※「フルーツ歓迎」は、現代語訳すると「百合キボンヌ」という意味です。

当時は「BL」的なものを「やおい」と呼んでいたのですが、「男同士 → やおい → やさい」ということから、女同士のやつを「くだもの」「フルーツ」と呼ぶこともありました。

まあ、この「くだもの」という表現は、この当時でも、私の周囲では通じず、それほど一般的な言い方ではありませんでした。

1995年の時点では、このジャンルの呼び方が「百合」で固定されていなくて、百合以外の言い方もあった……という感じです。

『あやかし忍伝くの一番』登場

そんなこんなで、1997年ごろの状況は、次のような感じでした。

・同人市場では、女性同士のカップリングが「一大ジャンル」と言われる程度には多かった
・商業市場では、単発の百合作品は出ていたものの、百合が一大ジャンルとして成立するのはもう少し後のこと

なので、ちびうさ×ほたる本とかは私も収集していたのですが、当時たくさん出ていたギャルゲーなんかは、ほとんどが男女の恋愛モノでした。

そんな時代に、唐突にプレステで発売された百合ゲーが、『あやかし忍伝くの一番』でした。

ご覧の通り、絵柄やノリは圧倒的に90年代テイストなのですが、百合をメインにしたことは時代の先を行っていました。

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